Rummage in ページ30
Aside
「お、白木じゃねーか」
体育館通路へと曲がる角で、私はばったり。西谷さんに会ってしまった。
向こうはにやにや私を見ている。
「……そうですよ、悪いですか。あなたの言う通りで」
西谷さんの言った通りに、私が戻ってきたことは、なんだか気に食わないけど。でも、
「……ありがとうございます。……西谷先輩」
私は目を逸らしながらだったけど、なんとか言い切った。
が、中々反応が返って来ない。
不思議に思って、視線を先輩に戻した。
その先輩は、うつむいて、肩を震わせている。
やばい、なんか怒ってる……?
「おい……」
それから、しばらく溜めるように沈黙。
なんだか変だと思い始めたとき、バッと西谷先輩の顔が上がった。
そして私の両肩に手を置いたかと思うと、真剣な顔で言う。
「あんなもん、感謝するほどのことじゃねぇ。いいか、これからどんな悩みができたとしても、俺が解決してやる。なんたって俺は……
お前の“先輩”だからな!!」
胸を張って、鼻息を荒くして、その人は言った。
私は数回目をぱちくりさせた。
それから、馬鹿にした一言でも言ってさしあげようかと思ったが、
「ふっ、」
と、思わず笑みがこぼれてしまう。
「じゃあ……よろしくお願いします。西谷先輩」
私がそう言うと、先輩は「おう!」と白い歯を見せて笑って、私の金髪をわしゃわしゃと撫でた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
西谷side
白木と一緒に体育館の扉を開けると、そこに今日も変わらず美しい潔子さんがいた。
っじゃなくて!
なんか空気がいつもと違った。
「おーす。なんかあったんすか?」
扉の近くで顎に手を当てていた大地さんに、声をかけてみた。
「ああ西谷。それが……」
なにかを言いかけた大地さんは、俺のすぐ後ろを見て目を見開いた。
「白木!」
大地さんがそう言うと、周りの奴らはざわついた。
「そーっすよ。こいつ戻って来たんすよ」
俺がそう言うと、大地さんは、
「そんなことより……!」
『そんなこと』?
俺は眉をひそめて口を開いたが、それより先に見知らぬ女子の声がした。
「お姉ちゃんっ!」
その瞬間白木の顔が、強張った気がした。
「大変だよ! お父さんがっ!」
「倒れたらしいの」とその女子は悲痛な叫びに近い声で言った。
Silent conversation→←Teenage delusion
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奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか! ありがとうございます! 更新頑張りますねo(*゚▽゚*)o (2014年8月24日 19時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!w次話も読ませてもらってます! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります! 更新頑張ります! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです><文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます>< (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです! ありがとうございます! 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕凪 | 作成日時:2014年7月10日 21時