a period ページ12
Aside
「白木、」
昼休み、廊下を歩いていると、後ろから野太い声に呼び止められた。
内心でため息をついて、振り向く。
「……なんですか」
案の定、そこには生徒指導の教師。
その教師は、またらしくない笑みを浮かべていて。
「お前真面目にバレー部のマネージャーやってるそうじゃないか」
真面目？ あれで？
「先生は嬉しいぞー」とか言ってる。
「そこでだ。まだまだ更生しなきゃならないところもあるが、その金髪とかピアスとか。だがまあ、一歩進歩したからな」
なんかすげー嬉しそう。私は足元に視線を落とす。早く終わんないかな。
「よって、火曜日でお前の任務は終了だ！ 」
「え？」
思わず顔を上げる。
「良かったじゃないか。いやーほんとに」
そんなに私が変わったように見えるのだろうか。じゃなくて！ 火曜日でいいの？え、でも……。
「……あの、」
私がそう口を開くと、笑顔のまま教師が「なんだ？」と問い返す。
「……明日までじゃ、ダメですか」
その声は思ったより小さくなってしまって、なんだか自分に腹が立った。
「なんでだ？ 確か火曜日に練習試合があるんだろ。だったらキリがいいじゃないか。練習試合を見て終わるって」
不思議そうな顔で教師は言う。
「なにか行けない理由でもあるのか？ だったら無理しないで先生に……」
「……別に、そういう訳じゃ、ないんで。行きます、火曜まで」
教師のセリフを遮って、一方的に告げて踵を返す。
『大丈夫、絶対勝てるよ。俺がついてるからね』
「……行きたくない」
◆◇◆◇◆◇◆
部活の帰り道。
坂の下商店で肉まんを食べて、みんなで歩いているとき。
辺りは薄暗い。相変わらず、影山と日向は最前列でなにか言い合っている。
そのすぐ後ろに澤村先輩とか菅原先輩とか先輩たちが歩いている。
私は先輩たちの斜め後ろで、ただ歩いている。
後ろには月島と山口がいて。
「……あの、」
私が口を開いたら、話をしていた菅原先輩たちが、私に視線を向ける。
「？ どうかしたのか？」
澤村先輩が声をかけてきた。影山と日向には私の言葉は聞こえなかったようで、まだ言い合いをしている。
「あの、私……青城との練習試合終わったら、マネージャー辞めるんで」
「は？」と田中先輩の声がした。私は顔を上げていない。
「ああ、そっか。白木は期間限定だもんな。あれ、でも2週間じゃなかった？」
菅原先輩が言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 376人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか！ ありがとうございます！ 更新頑張りますねo(*ﾟ▽ﾟ*)o (2014年8月24日 19時) (
レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!ｗ次話も読ませてもらってます！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります！ 更新頑張ります！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです＞＜文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます＞＜ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです！ ありがとうございます！ 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夕凪
| 作成日時：2014年7月10日 21時
