悪魔と契約するとどうなるのか？ ページ8
学校の窓でさとしくんを下ろす。オレちゃんの能力でクラスメイトは誰一人窓の方を見ない。
「え、こんな所から入るの！？」
顔を真っ青にするさとしくん。
「さとしくんのクラスメイトは誰も見てませんよ？」
「そういう問題じゃないー！！」
さとしくんは半泣きになりながら喚いていた。もう時間は無く、ここから入るしかないのだ。
窓の高さは、怖がるほど高くはない。怖がりのさとしくんはなかなか入ろうとしないため、背中をトンと押してあげた。
「うわっ！いっててて…」
見事に尻餅をついたさとしくんは、腰を摩っていた。
「ね、別に怖くなかったでしょ？」
「めちゃくちゃ怖かったわ！！」
──キーンコーンカーンコーン──
そこにタイミングよくチャイムが鳴り響いた。前のドアが開き、先生も入ってくる。
ここで座れなかったら遅刻扱いになってしまう。まだ痛がっているさとしくんに声をかけた。
「さあ、急いで！」
「う、うん…」
さとしくんはギリギリ…というかほぼ遅刻しているが、先生にバレずに済んだ。
「みんな、おはよう！！」
『先生ー、おはようございまーす！』
先生の元気な挨拶に、クラスの皆も口を揃えて挨拶を返す。さとしくんも皆と同じように挨拶した。しかし、遅刻がバレていないかと先生の顔を伺っていたため、傍から見るととても不審だった。
先生が出席をとっている間、だいちくんがさとしくんに声をかけた。
「さとし…お前朝に居たか？」
「え？も、もも勿論！ずっと居たけど！？」
だいちくんの言葉に動揺しまくるさとしくん。相手はだいちくんだ。もしバレたら、直ぐに先生に伝えるだろう。まあ、さとしくんが遅刻したところを誰も目撃していないので、伝えても無駄でしかない。
「そうか〜？怪しいなー、でも遅刻してなかったしなー」
結局、だいちくんは「まあいいか」と気にしなくなり、別の子と話し出した。流石はだいちくん。
「危なかったですね〜！」
「元はと言えばブラックのせいだろ！」
確かにあの時オレちゃんが話しかけなかったら、遅刻していなかっただろう。そもそも、さとしくんが寝坊しなければ良かっただけの話だが。
「よし！全員居るな！一時間目始めるぞー！」
『はーい！』
皆が笑顔で元気に返事をしている中、さとしくんは一人疲れきった顔をしていた。
ラッキーデビルツール
5秒ボタン
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まるぴく - お…推しが尊い…Σ（￣□￣）！ありがとうございますぅぅ(･∀･) (11月29日 22時) (
レス) id: 833f72c9e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)(プロフ) - 初コメ失礼します！この話神すぎて好きです(？) (6月8日 15時) (レス) @page20 id: 5c5a18c56d (このIDを非表示/違反報告)
鰤塩度＠MOD開発中(プロフ) - コメント失礼いたします。好こです。この小説を読んだ瞬間ズキュゥゥゥンと心臓を貫かれました♡体調にお気をつけください。しらはさんのイラストめっちゃ好きです！ (2022年10月5日 17時) (レス) @page49 id: 06723de847 (このIDを非表示/違反報告)
しらは.あすづ(プロフ) - しゅりさん» 返事返信遅れてすみません！楽しんで貰えて嬉しい限りです！！続編も作りましたので、よろしくお願いします！ (2021年5月29日 15時) (レス) id: a9314eaf80 (このIDを非表示/違反報告)
しらは.あすづ(プロフ) - ゆーーーりさん» うわああ！！返信遅れてすみません！ありがとうございます！！続編も作りましたので、よろしくお願いします！ (2021年5月29日 15時) (レス) id: a9314eaf80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらは | 作成日時：2020年10月4日 13時
