〃 ページ27
「もう昼ですよ」
「昼！？」
「オレちゃん、朝からずっと居ましたけどAさんが全然起きなくて笑っちゃいました〜！」
馬鹿にするような言い方をするブラックさん。頭上を見てみれば、目覚まし時計もスマホもない。久しぶりに忘れていたようだ。
「すみません…ずっと待たせてしまって…」
約束していたとはいえ、悪魔に謝るのは少々抵抗があった。
「いえいえ、さとしくんもいつもこんな感じですから」
ここで怒ってくるような人…悪魔じゃなくて良かった。
「それにしても、家にAさんしか居なくて驚きました」
そう、今日は私一人しか家に居ない。ブラックさん…つまり悪魔と2人きりという一生の中で経験したくない状況だ。
「両親は旅行、弟は遊びに行って、今日は私一人なんです」
「なるほど…」
両親にも弟にも一緒に来るかと聞かれたが、今日はブラックさんとの約束がある。本来なら一緒に行ったものの、断るしかできなかった。
歯磨き、トイレ、着替え、ご飯…。起きたばかりの人間にはしなくてはならない事が多い。
「ブラックさんはここで待っててください。直ぐに戻ってくるので」
そう言って、自分の部屋の扉を開けた。人を待たせることは申し訳ないが、寝起きのままブラックさんについて行く方が申し訳ない。
全てのことをこなすまで、5分もかからなかったと思う。これなら大丈夫と根拠のない言葉を自分に言い聞かせる。勢いよく扉を開けると、ブラックさんが私のベッドで寝ていた。
「ちょっと！ブラックさん！」
「…」
ブラックさんは全く起きそうにない。いくら待たせたとはいえ、5分もの間で人のベッドに眠ることがあるだろうか。
ブラックさんはYouTuber。恐らく編集疲れだろう。それで私のベッドに居るのは理由にならないが。
「起きて下さい！準備は終わりましたから！」
「もっとゆっくりしてくれて良かったんですけどね…」
これは私が悪いのか、ブラックさんが悪いのか。もう考える事が面倒になった。
「では行きましょうか！」
いきなり私のベッドから起き上がるブラックさん。さっきの事が嘘のように思えてくる。
私の部屋の窓を思い切り開け、軽々と私を抱きかかえる。
「え」
「落ちないように気をつけてくださいね！」
有無も言わせずにブラックさんは羽を広げて、窓から飛び立つ。
「きゃあああ！！」
怖い。それはもう、ジェットコースター等とは比にならないくらいだった。初めてされたお姫様抱っこが、こんなに怖いものになるとは思わなかった。
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まるぴく - お…推しが尊い…Σ（￣□￣）！ありがとうございますぅぅ(･∀･) (11月29日 22時) (
レス) id: 833f72c9e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)(プロフ) - 初コメ失礼します！この話神すぎて好きです(？) (6月8日 15時) (レス) @page20 id: 5c5a18c56d (このIDを非表示/違反報告)
鰤塩度＠MOD開発中(プロフ) - コメント失礼いたします。好こです。この小説を読んだ瞬間ズキュゥゥゥンと心臓を貫かれました♡体調にお気をつけください。しらはさんのイラストめっちゃ好きです！ (2022年10月5日 17時) (レス) @page49 id: 06723de847 (このIDを非表示/違反報告)
しらは.あすづ(プロフ) - しゅりさん» 返事返信遅れてすみません！楽しんで貰えて嬉しい限りです！！続編も作りましたので、よろしくお願いします！ (2021年5月29日 15時) (レス) id: a9314eaf80 (このIDを非表示/違反報告)
しらは.あすづ(プロフ) - ゆーーーりさん» うわああ！！返信遅れてすみません！ありがとうございます！！続編も作りましたので、よろしくお願いします！ (2021年5月29日 15時) (レス) id: a9314eaf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらは | 作成日時：2020年10月4日 13時
