構いたくなる変な奴

第一印象 ページ6

中也side

部下に酷い言い方をしているのが気に食わなかった。


しかし、彼奴が何も上に報告せず、俺に大した興味も持たなかったからよかったモノの。

俺がしたことは自'殺行為だった。




この黒社会で、自分より上に立つ者が実力者である。
それは何時どちらが悪かろうと上が‘下だ”といえば、




悪いのも、処刑されるのも下なのだ。

つまり俺は口を出した瞬間に殺されていたとしても。

何一つとして、文句は言えなかった。




そうして、職権乱用をしている様な奴に、一瞬でも見惚れちまった。

あの漆黒の髪は絹糸のように指通りが良さそうで。
あの金の瞳が、壮大な月の様で。



不覚にも...彼奴と軽口を叩き合うのは、



＿＿＿悪くねェ、って。







だが、作戦を話す為に部屋を訪ねれば、いたのはソファーに突っ伏してるし。


４徹なんか..まだ俺もしたことねえよ。



彼奴を寝台に入れてから、何人もの奴が彼奴の体調を心配して執務室の戸を叩いた。
案外人間らしい生態を教えて貰った。

ま、それはまた別の時な。




すぐ寝るし、部下の事があったから怒りっぽいのかと思えば

全くそんなそぶりはない。
ただ部下には厳しいな。



否..なんか、厳しい.。のもあるが、突き放す。が合ってる。


でも..




なんで態々あんな言い方しやがんだ..？


微かな疑問。それだけが、俺の彼奴への印象で、




容姿以外に残ったものだった。

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