構いたくなる変な奴

ガチ喧嘩。 ページ13

一つの部屋に二人の男女。
普通なら甘いムードを想像するだろうがこの二人にその方程式は通じない。

お互いがお互い、顔をしかめて苛立っている。



「何でこんな答えになんだよ？」

『わかんないから。』

「何処が？」

『わかんないから困ってんだよ。そんなん』


さっさと諦めて頂きたい。
私に英語や外国語なんて一生不可能なのだ。



今まで森さんも太宰君も姉さんも教えるのを諦めてきた。あの三人に出来ず、君に私に理解させ、その上使いこなせる様にでも出来て見ろ。
そんなことが出来るんならもう君は五大幹部どころか組織の長にでもなってるわ。


「ならbe動詞からだな。まずこのam.are.isの使い分けを覚えろ。」
まだやる気ならしい。

森さんからの命令でも無いくせに、勝手に世話焼いて私の永遠和解不可能言語(外国語)を理解させようとして。



＿＿＿＿本当にうざったい。
何なのこの餓鬼、チビなくせに超うざいんだけど。










『嗚呼うざいな、そういうの勝手にやってくれる？私を巻き込まないでよ君のエゴなんかに。』

「はァ!??俺は手前がこれから上に昇る上で困ると思ってなァ!!!!」


『それが何!??私は頼んで何ていないよね!!?困るってこの時代には翻訳があるんだよお分かり?!』


「手前..!!さっきからやる気出さねぇと思えば...!!ンなくだらねぇ事考えてる暇があんなら考えろよ!!」




『如何して理解(わか)んないの！？できるならとっくにやってんだよ!!!』

「くだらねぇ事考えてんじゃねェか!!元々手前の考えは気に食わねぇんだよ!!!!部下にもあんな教育しやがって!!!!




手前は何も理解しちゃいねェ!!!相手の事なんて全く考えてねぇんだよ!!!!」


....っ!!!!

『君なんかに!!理解されたくない!!!!私が!!どれだけ努力したかなんて!!!!君みたいに努力し続けられる奴なんかに判ってたまるかよ!!!!!!』


私達は一息で言い合ってからお互いを睨み付けた。




お前に何が判るんだ。
分からないだろ、努力が嫌いな私の気持ちなんて。
判る訳もないし、判って欲しくもない。

知ってるんだ。君が壊せる物が多くなっていく度に嬉しそうに修練場に足を運んでいるのを。


自分の成長に満足しない君に。
成長する事が分からなくて、素直にも喜べず、元からあるモノに縋る私の気持ちなんか。




そう批難する気持ちを込めて、八つ当たりをした。

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