構いたくなる変な奴

気に食わねェ！ ページ44

中也SIDE


ポートマフィアは、探偵社と停戦をした。
それ自体は良い。別に関係がねぇから。


でも気に食わねェのはここからだ。

「あ、おい‥‥」
『ん？』

俺と珍しく休みが合ったっていうのに私服の外套を羽織っているAが俺を見る。


最近、太宰に会うために探偵社に入り浸ってやがるんだ。此奴。
嗚呼気に食わねぇ、何で俺が休みだってのに。

「それ。今日じゃなきゃ駄目なのかよ。どうせ糞太宰に会いに行くんだろ」

『え‥？否、今日じゃなきゃ駄目って事は無いけど‥‥』


‥‥‥
俺はこっち来い、と手で自分の足を叩いた。
首をかしげながら外套を置いて俺の隣に腰を下ろしたA。

「‥此方だろ。」
Aの腹に手を回し、そのままソファに横になる。




『‥‥‥‥な、！？ど、どうしたの中也‥‥？！』

「‥‥五月蝿ぇよ、俺が居るのに太宰を構った罰だ。今日は俺に付き合え。」
Aの首筋に顔を埋めたまま言う。


『‥どうせ帽子屋じゃん……飽きたよ私。』

ぴく、と俺は指先を動かした。
「何時。」

今度はAが体を震わせる番だった。
耳にほぼ吐息の声を掛ける。


「俺が外行くっつったよ。家だ家。」

『‥‥ちょっ‥ッ！耳元でしゃべんないで‥！！』
「あぁ゛？‥‥ははっ、手前俺の声好きだもんなァ？」
『死ね...！！！』


「そんな口聞いて良いのかァ‥？俺をほっといた癖に。
ンな事言ったら‥‥」

構ってやんねェぞ？



『‥‥ッ！！』

真っ赤になって固まってしまったAにフッと微笑んで、正面を向かせるように腰を抱き寄せた。



「ははっ‥いい気味だなァ…真顔が崩れてんぞ？Aチャン？」

『‥‥ッ、中也嫌い！！』


言うだけ言って俺の胸板に額をこすりつけるのが可愛くて、今日も俺は此奴に構っちまう。

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