構いたくなる変な奴

ショッピングwith姉さん．1 ページ20

『姉さ〜ん、もう帰りた〜い』

「先程からそればかりしか言わんのぅ、他は言えんのか？」
私の手を引き体を摺り気味の中原君と中原君の手を引く姉さん。

『言えない〜買い物つまんない〜』

「折角お主を部屋から連れ出したと言うのに…ほれ、中也からも言っておくれ」

「……そろそろちゃんと歩かねェと靴摩りへんぞ」

『其れが何だ〜歩かないって言ったら歩かない〜』

「手前……首領に連絡してやろうか」

『中原君にそんな度胸は無いと見た。』





そう言った私に拳骨が落ちたのはお分かり頂けただろうか。


『だって今連絡したら確実に太宰君の方に伝わって揶揄われるよ？

そうじゃ無くとも中原君に森さんにそんな下らない事で連絡して手を煩わせる訳ないでしょ』

「ほぅ、一理あるの。流石Aじゃ」

「姐さん、どっちの味方っすか」

中原君はすかさず私を撫でる姐さんにツッコミを入れる。

「これ中也、手を離してはいかぬ。」
さりげなく逃げようとした私に気づく姉さん。


「は…⁉︎」
『げっ』


「矢張りまだ中也にはAのセーブは早かったかのぅ…」

「まず16歳はセーブするモンじゃありませんからね…」

『一寸‼︎それじゃ、まるで私が子供の様じゃないか‼︎』
「手前以上に餓鬼の奴を俺は知らねぇよ」



『……張っ倒すぞチビ』
「あァ⁉︎てんめえ‼︎大した変わらねえ癖に何言ってんだ‼︎」

「やめよ中也、A。公衆の目前で。」

凛とした声音で姉さんが言う。
私は静かに、その言葉の意味を噛み砕いた。


『……分かりました、姉さん。』
「⁉︎…」

『一寸中原君、その反応はどういう心算かな』

「…俺もすみませんでした、姐さん」

『…流せるとか思って無いだろうね、流させないよ』




「…………手前謝れるんだな…ってよ」




……。
嗚呼…これは……喧嘩売られたね？

『OK中原君、姉さん中原君と少し2人きりになっても良いですか？』
「駄目じゃ。」

『何でっすか‼︎』
「お主が私に敬語なんぞ、良い時は一度たりとも無かったじゃろうが!」




『⁉︎…………い、いえ？そんな事は、無い？かと……？』

「目が泳ぎまくってんぞ」
『一寸君黙って。』


「…お主本当に、太宰の奴に似て来たのぅ…」


『あ、褒め言葉っすか？どうもどうも』

「絶対違ェからその莫迦みてぇな喋り方やめろ」


『ヤンキー語分かんないんだよねぇ私』
「そんな所だそんな所。」

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