怖い人がいた。 ページ3
Aside
「‥南足君。一応この報告書を芥川君と中也君にも渡しておいてくれないかい?」
『えっ‥何か御座いましたか?』
私は内心『あの怖い人に渡せって?話せって言ってんの?嘘でしょ
私としては書類に間違いが有って処刑される事なんかよりもあの猫の様に少しつりあがった強気で綺麗な瞳に見られる瞬間の方が何倍も怖いだけだ。
「‥‥‥否、そんなに顔色が悪化するなら芥川君に伝えて渡しておいて貰ったら良いよ」
少し困った微笑みの首領。
そんなに顔色悪いっすか‥
「南足君がそこまで苦手というのも珍しいね。何が苦手何だい?」
『‥‥全部ですかね、あの青い目も存在感溢れる服装も夕日の様な髪も、帽子も』(早口)
「帽子だけ特別扱いなんだね」ふふふと笑う首領。
『目立つんですよ、あの明るい綺麗な髪は特に。それを隠す帽子はアレです』
「アレ?」
『突然の死刑宣告と同じです』
「‥‥そんなに悪い子じゃないよ‥?」
『ヘタレポンチの私からしたらしっかり恐怖対象です』
「ふふっ、中也君の事になると饒舌だね。君も黒社会では十分名を覇せているというのに」
『ヘタレポンチは治りませんから。』しみじみ言った私に首領は笑っていた。
首領室を出て私は遊撃隊の部屋で芥川さんに書類を渡した。
その後樋口ちゃんと会ったから世間話で盛り上がってからスーパーに寄って家に帰る予定だった。
うん‥‥その予定
男性用トイレから出てきた相手を認識するまでは。
ゆったり歩くなんて時間の無駄になることはしたくない為、私の歩くスピードは中々に早い。
その中、急に出てきた人‥‥中原中也。
楽しめるかどうかは場所じゃなくて人で決まる‥なんて言葉があるがあれは反対もあるんだと今、知らされた。
普段なら一瞥し、歩みを止めるなんて以ての外だというのにこの人が出てきたという事実だけで、私は足を止めてしまった。
「あ゙?」
あ。その声だけでひゃっとした足がすくんだよ死にたい。
そうだよ何の用もないのに足を止めたら不自然じゃないか。
よし!逃げろ!!
素早く一礼し先を急いだ私。
「おい待て。」
何でですか‥ッ!!
切実な思いを胸に震える右手と生まれたての子鹿のようにがっくがくの足を擦り切れそうな理性で押さえつけながら振り返った。
234人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁月臨(プロフ) - はわわわわわわわわわわわわ、、、、、!!好き過ぎます、、、!l更新頑張ってください!!! (7月15日 3時) (レス) @page26 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 駄作上手さん» 謝らないでください!図々しくてごめんなさい!他の投稿も頑張って下さい! (6月11日 20時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手(プロフ) - 落蕾さん» 返信遅れてすみません。申し訳ありませんが、今は他に書きかけも書きたいものもあるのですぐに出す予定はありません…ごめんなさい (6月11日 8時) (レス) id: eb19c5f4a9 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - めっちゃコメントしてごめんなさい。続編出しませんか?めちゃくちゃ読みたいです (6月5日 23時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - メルヘンワード、ツボに入った (6月5日 23時) (レス) @page21 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:駄作上手 | 作成日時:2023年1月22日 17時