旅行。2 ページ19
『……、?』
幹部の舌がゆっくりと侵入、状況についていけていない私の耳を幹部の手が塞ぐ。
『ひゃっ…!?』
突然の革手袋の擦れる音と、脳内で響いた水音に私は目を白黒させる。
「…はは、可愛い声も出せんじゃねェか。」
再び甘いキスを落とすと満足そうに目を細め、私の頭をポンと撫でて運転に戻った幹部。
「此れで、手前も此方側だなァ?」
そう言ってにっこり笑った幹部が今運転中であるという事も頭からすっぽ抜けた私は、もう少しで幹部の太腿に短刀を刺す所だった。
危ない危ない。
「……オイ、痛ェんだが。」
『ビンタで済んで良かったじゃないですか。』
『もし運転中じゃ無ければ短刀の出番が来ちゃう処です』私は薄く口紅を塗り直しながら文句を言う。
「物騒な事言うんじゃねぇよ…」
困った様に眉を下げて情けない声を出す幹部の唇にほんのりと付いた薄いピンクの口紅。
…見なかったことにしておこう。
殺意湧いちゃう。
「旅館に荷物置いたら先に遊園地行くぞ。」
言葉だけなら中々格好良い様な事言ってるが、その頬には綺麗な紅葉型がついている。
格好悪い。
『ざまぁみろ』
「……手前なァ…、またキスされてェか」
『セクハラで訴えますよクソ野郎。』
太宰さんに女の敵って言ったらしいが、アンタの方がよっぽど敵だわ。
『私根に持つタイプなんで。』
「……じゃァ今日は旅館の料理で決定だな。」
『え?……じゃなきゃ何なんです?』
「俺が作る予定だった。」
『…今日のご飯は何ですか?』
「はは、調子のイイ奴。」
幹部は笑って私の頭に手を伸ばした。
…シュっ。
幹部の手が空を切る。
「何で避けた?」
『もう騙されません。』
「言ったな?」
30分ほど攻防は続き、私の敗北で終わりを迎えた。
……頭振る運動しなくちゃな。
後から思えば、一回目だったから楽しかっただけで、二度目来ないわ。
暫く頭を振る運動をした日々が続いて、やっとその結論に辿り着いた話はまた後日。
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すみません……更新が止まったのは愛用、というか買い直して2ヶ月のノートパソコンを壊してしまい、私の心も破壊されたからです。
なので
前でもサボり気味だったと言うのに夜に更新出来ないのでもっと遅くなります…。
本当にすみません。
多分……2023年3月2日、駄作上手。
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暁月臨(プロフ) - はわわわわわわわわわわわわ、、、、、!!好き過ぎます、、、!l更新頑張ってください!!! (7月15日 3時) (レス) @page26 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 駄作上手さん» 謝らないでください!図々しくてごめんなさい!他の投稿も頑張って下さい! (6月11日 20時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手(プロフ) - 落蕾さん» 返信遅れてすみません。申し訳ありませんが、今は他に書きかけも書きたいものもあるのですぐに出す予定はありません…ごめんなさい (6月11日 8時) (レス) id: eb19c5f4a9 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - めっちゃコメントしてごめんなさい。続編出しませんか?めちゃくちゃ読みたいです (6月5日 23時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - メルヘンワード、ツボに入った (6月5日 23時) (レス) @page21 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄作上手 | 作成日時:2023年1月22日 17時