潮田渚、タイムスリップ物語。 (ページ29)

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修学旅行の時間part10 ページ29

紗凪「あ…いや………」

業「渚ー？大丈夫かー？？
あ、そういえばここ修学旅行の時の旅館じゃん！
うわー偶然？？」

カルマがなぜ…？
まさか僕がフラグを建てたから……？

業「渚ー？渚？」

いや、ともかくカルマをどうにかしないと。
僕は女の子としているけどカルマは誤魔化せない。

業「渚、俺の話聞いてんのー？」

紗凪「あ、ごめんねカルマ。
ってそれよりも何でここにいるの！？」

業「ん～？俺仕事を行くつもりだったんだけどさ？
なんか歩いてたらいきなり京都風景になって…
で、知ってる奴居るかなーって思って歩いてたら
ここに着いたってわけ」

な、なるほど。
無意識のうちにタイムスリップしちゃったんだ。

紗凪「カルマ。ちょっと待ってて」

業「らじゃー」

風呂場から出て旅館の着物に着替える。
それから家の鍵と財布と地図を……

紗凪「カルマ、取り敢えず僕の家に帰っといて。
家の鍵と財布と地図を渡すからさ」

業「なんで？」

紗凪「えぇっと…それは……！？カルマ！隠れて！！」

業「ええっ！？」

殺せんせーの気配がする、どこからくる…？

ガチャッ…

普通にドアから入ってきた。
いや、窓から入ろうよ！？キャラ的に！！

殺せんせー「おや、紗凪先生」

紗凪「なんで入ってくるんですか。
1秒でも殺せんせーが速かったら着替え中でしたよ」

殺せんせー「すみませんねぇ…
ところで紗凪先生、誰かと話してましたか？」

紗凪「…はい。少し昔の友人と電話をしていました。
うるさかったですか？」

カルマとの会話が聞こえていたらしい。
…会話の内容は聞いてなかったらしいが。

殺せんせー「いいえ？では私は男女の恋話でも
聞いてきますかねぇ、ヌルフフフ…」

いってらっしゃい、殺せんせー。

紗凪「…カルマ、もういいよ」

業「……………」

紗凪「…？カルマ？？どうしたの？」

カルマが浴槽の中から出てこない。

業「…なんで、あのタコが生きてんだよ」

紗凪「…分からない、でも僕達がいる世界はきっと…」

業「タイムスリップ…ね」

紗凪「…カルマ？泣いてるの？？」

浴槽の中にポタポタと雫が落ちる。
カルマの両目から湧き出ているようだ。

業「夢、みたいだ…またあのタコに逢えるだなんて…ッ」

ポタポタポタポタ…
カルマの両目から湧き出る雫がまた濡らす。
滝のように…………または真珠のように……。

ポタポタポタポタポタ……
カルマの両目から湧き出てくる雫は止まらなかった。