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思わず怒鳴る。ビクッと体が震え静かになったのを確認し続ける。
『俺はあいつじゃない!!迷惑かかってんのはこっちなんだよ!!何度言えばわかる?!お前も!弟なら!血縁の兄と!!血の繋がってない兄の区別くらいしろ!!』
黙ったままの奴に続けて畳み掛ける
『俺は!お前の兄じゃない!血も繋がってない!!!!それに!あの時お前を置いてったのも俺じゃない!お前と本当に血が繋がってる方の兄だ!!!
俺はっ…!!俺は!!!っ、…母さんのっ…お前の母さんが!お前の兄貴の代わりに連れてきた偽物なんだよ!』
ま「ど、どういう事…なの」
焦って聞いてくる奴。言われなくてももう、全部話してやる。
『俺はな。お前の兄貴にそっくりだからって買われたんだよ。お前がまだ小さい時にな。お前の兄貴は昔から酷く荒れてて、問題を起こしては父親に尻拭いをさせてたんだ。
ある日、火の不始末で家が燃えた。お前を置いてったのは正真正銘お前の兄貴だよ。
家にお前と2人、お前は兄貴にベッタリだったらしいが兄貴はお前を嫌ってた。』
奴にとっては理解し難い話だろうが全て事実だ。
『兄貴は当然放火で捕まるはずだった。でも、お前の父親はそれを許さなかった。だから、俺を、身代わりにしたんだ。
お前の兄貴を海外に逃がして、代わりに容姿がよく似た俺を差し出した。
元々、俺はお前の兄貴が何かやらかした時のための予備だったんだよ。』
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作者名:sio | 作成日時:2021年11月10日 18時