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Urt side
屋敷内で坂田を探すが見当たらない。
こういう時は…
窓辺に座って外を眺めている奴に声をかける。
俺が近づいてるのに気づいてるはずなのに外をじっと眺める奴。
まるで誰かの帰りを待っているかのように。
いつまでも変わらないその表情
声をかけると振り向くその顔は
どこか寂しそうだった。
「坂田なら散歩に出かけたよ」
そういう奴は笑みを浮かべていた。
父親と喧嘩して散歩って…ガキか。
まぁいい。
『坂田戻ってきたら知らせてくれ。』
多分坂田の帰宅には奴がいちばん早く気づくだろう。
幸か不幸か良すぎる耳のおかげで。
奴のもとを去ってから一言彼に聞こえるように言う。
『ゲーム誘おうと思ったのに』
思わず吹き出す奴の声が聞こえた気がした。
Skt side
風が心地いい。今は9月。 9月でもまだ昼間は暑いが、夜になってとても過ごしやすい気温だ。
思いのまま道を進んでいく。
路地を通り過ぎようとする。
「助けて」
ここらへんは治安が悪い。女一人で夜道を歩くだなんて襲ってくれと言っているようなものだ。
無視することも出来たはずだった。
それでも足は路地へと向かっていく。
『そこで何をやっている。』
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作者名：sio | 作成日時：2021年11月10日 18時
