“死にたがり幹部様”は“殺し屋少女”を堕としたい 【文スト】

24.怖くならない おまじない ページ37

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「姉さん」 side


「怖くならない“おまじない”教えてあげるから」



心なしか、あの子の顔が強張っていたような気がして。


実の妹のように可愛がっていた子のためだ。
最期くらい、姉っぽいことさせてよね。




「怖くなったら、毛布でも好きな人でもいい。

目を閉じて、何かに心を包み込まれるって思ってみて」




目をつぶった途端に、彼女を包み込む文字の羅列。

強いて云うなら、
これは彼女の異能の応用だ。





「さあ Aちゃん、今貴方に課せられた任務とは?」






『……姉さんの暗殺』




そうだよ、それで良いんだ。



異能の応用＿＿＿感情を“自分から隠す”



彼女を包む文字が消える。
その目には、もう既に光が消えていた。




「さようなら、姉さん」




この子のためならば何を失っても構わない。

それに、今この子の隣には彼奴がいるから、


………きっと大丈夫。





耐え難い衝撃が襲い、床に仰向けで崩れ落ちる。

胸元からは 赤い鮮血が。




「そのイヤリング……素敵、だね………」



少し先の出来事が視える。


でも、きっとあの子に……この声は届かない。

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