19.太宰……お願い、許して…… ページ27
.
『太宰……お願い、許して………』
その言葉に、案の定 太宰の動きがピタリと止まった。
顔を俯かせていて黙ったまま動かない。
最初からこれを狙っていたのだ。
太宰の動きを止めることを。
後ろにエリスが居るが、
一瞬でも隙をつけば 逃げられなくもないだろう。
『ごめんね、エリス!』
「え、ちょっと、A!?」
そんな声は空しく、誰もいない空間に響いた。
・
太宰side
涙ぐむのは反則だろう?
そう思いながらも表情には出さずに、ポーカーフェイスを徹底した。
「洋服は決まったから大丈夫、と首領に。」
「ん、仕方ないわね……」
部屋の外に出ていくエリス。
それにしても、本当に困った子だ……私から逃げようだなんて。
まあ、逃げたからには
それ相応の覚悟をしてもらわないとねェ?
「……もういいかーい?」
かくれんぼの時のように問いかける。
無論、返事はないのだが。
………彼女は気付いているだろうか。
逃げた道の先が、全て行き止まりだと云う事を。
「____見ィつけた」
・
Aside
逃げた先は、全て行き止まりだった。
何処へ行っても洋服たちが
まるで意思があるかのように、私の行く手を阻む。
「もういいかーい?」
すぐに近くから太宰の声が聞こえる。もう時間がない。
せめて武器があれば反抗できたが、
エリスと遊ぶ条件として没収されてしまった。
『…………また、行き止まり……?』
またもや洋服たちが行く手を阻む。
振り向いた先には、
「____見ィつけた」
私の前に、絶望が垣間見えた。
149人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はたゆり(プロフ) - 枝豆さん» ありがとうございます!応援、すごい励みになります(o^―^o) 続編頑張りますね!! (2018年8月16日 20時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)
はたゆり(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!そう云ってもらえるととても嬉しいです 最初から読むと結構夢主ちゃんの性格がかなり変わってたり………( '▽')アァ (2018年8月16日 20時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 続編、凄く楽しみです!応援しています。 (2018年8月16日 17時) (レス) id: df373c6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 続編、頑張って下さい楽しみ〜!!待ってる間に最初から読み直すという選択を……(*´ `) (2018年8月16日 17時) (レス) id: a81515e65f (このIDを非表示/違反報告)
はたゆり(プロフ) - コメントありがとうございます! エリスちゃんは個人的に好きなので、仲良くさせたかった(笑) 首領の性癖…バレないといいですね!← (2018年7月18日 6時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はたゆり@苺のシリアル。 | 作成日時:2018年7月4日 21時