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「え……?」
「おいまじか……」
おれたちに手を振ろうとしたんだろう。中途半端に挙げられた右手を、影山の手が絡めとった。
目を丸めて影山を見上げるAさん。
思わぬ光景に立ち止まるおれたち。
そして影山は固まるおれたちを横目に、
「失礼シマス。」
と言って、Aさんの手を引いて歩いていってしまった。
慌てた様子で影山とおれたちを交互に見ながら、Aさんは控えめにおれたちに手を振り、影山に引っ張られるがまま遠ざかっていく。
それに返すことも出来ず、夜の街に消えていく2人を見送ったあと、
「「「えーーー!!?!?!」」」
と侑さん、衛輔さん、アランさんの声が重なった。
木兎さんはアイツら仲いいなー!と笑っていて、まぁ確かに仲はいいんだけど、なんていうかちょっと今は訂正するのは後回しにしようと思う。
つまり、さっきまでのAさんに対する心配や会話を、影山は今のですべてかっさらっていったわけだ。
ずっとスマホをいじっていたのもAさんと連絡を取るためで、あの会話を聞いて集合場所をここにしたんだ。
オソルベシ影山。言葉でなく行動で見せつけてきやがった。やっぱりあいつはそういうヤツなんだ。
妙に感心してしまったおれは、そのあと衛輔さんや侑さんから大量の質問攻めにあったのだった。
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ぴぃ(プロフ) - 😘💕 (2022年12月10日 20時) (レス) @page12 id: b43595f77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおり | 作者ホームページ:http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時:2022年12月3日 21時