高く飛んだその後 (ページ5)

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｢さって帰るかー！｣

｢どっかで飯食ってかね？翔陽も行くだろ？｣

｢ハイッ！行きます！｣

しばらくして、侑さんたちの帰宅準備が済んだようだ。練習終わりに皆で夕食を食べに行くことは珍しくない。
衛輔さんからの誘いに全力で答えた矢先、座っていた影山がゆっくりと腰を上げた。

｢お、珍しく飛雄くんも行くか？｣

｢……いえ｣

なんだ断るのか。俺もてっきりそういうつもりなのかと思った。
若利さんやアランさんも帰る時間は被ったものの、今日は家に帰るらしい。
とはいえ、途中までは一緒に行こうと皆で更衣室を出た。

｢腹減ったー！何食おうかな。｣

｢肉やろ肉！な！翔陽くん！｣

｢肉いいっすねー！｣

｢肉肉ー！！｣

夕飯に思いを馳せながら、ぞろぞろ出口へ向かう。
影山は相変わらずスマホを気にしていて……かと思えばスマホをポケットにしまって静かに前を向いた。
おれもつられて前を見ると、もう競技場の外が見えて、ガラス張りの扉に背中を預けるようにして誰かが立っている。
おれはその後ろ姿に、とても見覚えがあった。

｢……え、｣

影山、お前まさか。
そう思った矢先、影山がおれたちより1歩前に出た。
そのままズンズン距離は開き、影山は扉に手をかける。
声をかけられ振り返ったその人は、おれの予想通り間違いなくAさんだった。

｢あれ？A……？｣

｢え？！Aちゃん！？ホンモノ！？｣

｢お！ほんとだ！Aー！！｣

衛輔さんも気づき、侑さんが慌て、木兎さんが大きな声で呼びかけると、こっちを向いたAさんがパッと笑顔を浮かべた。
でも、