高く飛んだその後 (ページ3)

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｢ハイッ！高校時代の同級生です！｣

｢へー！世間狭いなぁ。
烏野の女子バレーはそんな強いイメージなかったけど、どこで化けたん？｣

｢バレー上手すぎて新山女子にスカウトされたんです！｣

｢何やソレ！ドラマやん！｣

ええなぁ、そんなことかっこええエピソード出来るんやったら俺も稲荷崎以外に行っといたら良かったわ。と天を仰ぎながら言う侑さんに、いや、そしたらおれ達試合できなかったかもしれないんでダメです。と釘を刺し、

｢ちなみに衛輔さんと木兎さんも知り合いです｣

と言った矢先、

｢おい新作ウェアの情報見たかよ！？Aモデルやってんじゃん！｣

と更衣室に飛び込んできたのは衛輔さんだ。その後ろに木兎さんもいる。

｢やー、やっぱAはかわいいもんな！！
引っ込み思案なAが頑張って撮影に挑んだと思うと……ックゥ、涙が出そうだワ……！！｣

｢Aはやれば出来るヤツだ！！｣

｢オトンとオカンみたいなヤツら来た！！
皆知ってるやん！Aちゃん何者！？｣

そしてワンテンポ遅れて入ってきたのは若利さんだ。外までおれたちの声が聞こえていたみたいで、

｢俺はAを知らない｣

｢事前申告ありがとう！！｣

Aさんを知らない宣言をした若利さんに、侑さんは元気いっぱいに感謝する。
そして、ちょお待って！これ以上俺は対応しきれんぞ！アランくーん！と何故かアランさんを探しに行き、見事一瞬で見つけ出して戻ってきた侑さんに首を傾げながら、おれは人口密度が高くなってきた更衣室で静かになった影山を見上げた。

｢……｣

｢なんだよ。｣

ふと思った。コイツは自分からAさんとそーゆー関係だと言うのだろうか。
影山のことだから変に斜に構えて時の流れに身をまかせそうだとも思いつつ、純粋に気になった。
更衣室内はAさんの話題で持ち切りだ。
衛輔さんと木兎さんが元々Aさんが烏野のマネージャーだったことも伝えたようで、そこからの躍進劇や活躍を聞かされては侑さんがひたすら｢ドラマやん！｣と合いの手を入れている。
多分、衛輔さんも木兎さんも、影山とAさんが付き合っていることは知らないはずだ。Aさんも自分から言うとは思えないし、影山も自分のことを進んで話すタイプではないから、そんな話題になったこともあまりない。