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「ッシャア！Aちゃん来たこと知らせるためにも、盛り上げていくよー！」
冴子さんが声を張り上げ、太鼓や笛が鳴る。
移動しながら遠目から見えた。影山くんと同じくユースに参加していた相手のセッターのサーブを、西谷先輩が2本連続サーブミス。恐ろしい体感を持っているミドルブロッカーに、烏野のブロックは翻弄され、エースの力量も凄まじい。
1セット目はもぎとったものの、2セット目は相手の本領発揮に押されている、といったところだろう。
「頑張れ烏野！音駒は勝ったよ……！」
私が応援に遅れてしまったのは理由があった。
片付けや準備を終えて、烏野の応援席に向かっている最中、別コートで行われていた音駒の試合に目が奪われてしまったからだ。
私が見たのは2セット目の終盤あたりから。1セットはギリギリ先取していて、2セット目もまさに接戦。思入れが強いからこそ、思わず足が止まってしまった。
そして、チーム全員で勝ち取った勝利を目の当たりにしてきた。
烏野がこの試合に勝てば、烏野vs音駒。ゴミ捨て場の決戦と呼ばれたあの試合が実現するんだ。
「飛雄くん！ナイサー1本！！」
押されながらも相手のピンチサーバーのターンを1本で切り、飛雄くんのサーブが回ってきた。
宮城の体育館とは違うから、声が届くかはわからなかったけど、全力で声をかける。
見に来たよ。応援してるからね。少しでもそう伝えたくて。
「うわあ……！」
聞こえていたのか、いないのか。目が覚めるような強烈なサーブが相手コートに叩きつけられた。ノータッチエースだ。
驚いた相手がタイムアウトを取り移動している最中、飛雄くんが応援席を見上げたのがわかった。
もしかしたら、聞こえていたのかもしれない。そう思い、「ナイスサーブ！」ともう一度叫ぶ。
「！」
その時、確かに目が合った。試合中、劣勢にもかかわらず、穏やかで落ち着いている様子の飛雄くんは、私に向かって小さく拳を掲げる。
何度も何度も何かある度に交わしたそれを、春高でも出来るなんて。
嬉しさをかみ締めながら、そして、ここからの巻き返しの期待を込めて。私も飛雄くんに向けて真っ直ぐに拳を伸ばした。
「青春……かよ……」
「なんか、泣けてきたわ……」
と、隣から声が聞こえ目を向けると、嶋田さんと滝ノ上さんが天を仰いでいた。
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
