黒い騎士 (ページ34)

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副都に帰還。
黒の軍勢に勝ったという情報はすでに伝わっていたのか、町は今までにないほどのお祭り騒ぎだった。

ユーリ達義勇軍は『英雄』だと呼ばれて、城で一泊した。僕も義勇軍扱いされた。ピリカ達が話してくれたからだから、そこは少し感謝している。……微塵も疑わないという所はちょっとアレだけど。

城で一泊した、翌朝。
会議室みたいなそこには各国の首脳陣が集まっていた。
議長殿達の戦場に行っていないメンバーも居たので、まずは戦果についての各国の報告から。
シュザも居たので僕が黒騎士だとバレないだろうか、と戦々恐々としながら紹介されるのを待つ。

……ピリカが僕について説明した時にユリアナが顔色を変えたのは、多分僕が「城に居た」という事実があったからだと思う。黒の王側の可能性も十分にありうる、と僕でも考えるから。

「…さて、それじゃ次に……彼について、だけど。説明してくれるかしら？」
「もちろん！！」

ピリカが説明するのに任せる。昨日はなんだかんだで彼らも疲れてたらしく、寝る部屋は同じだったものの口裏合わせについてはほとんど何もできないままだったから。下手に交互に言うよりピリカが言うに任せる方がいい…と思った。

「黒の王に操られてたんだ、ナナシは！ナナシの事知ってるでしょ、ユリアナ！」
「……そうね。見覚えはあるわ。黒の軍勢に囲まれている所を助けてくれた…」
「…勝手に外出しなさったんですか」
「うっ…その話はまた今度！」

…………僕は黒の王に操られていたらしい。
操られている時と操られていない時があって、義勇軍に敵対している時は操られていた、と。へェそうなんだ。

あくまで軍勢側じゃないという所を強調された。まぁ確かにあのクソ野郎の味方なぞとは死んでも言いたくねぇが。

「操られていた、という証拠は？」
「え゛？…えー……と……しょ、証拠ね、しょーこ。うんあるよ、えーっと…………ナナシ！」
「なんだ」
「黒の王は好「吐くほど嫌いだあいつの仲間なんぞ死んでもならねぇ」…ね！？仲間になった場所なんてどうでもいいって！」
「どうでもよくないからこの会議が開かれているのが分からないのか羽虫。……それに、そいつ。雰囲気は違うが黒の男だろう。操られているようには見えなかったが？」
「だーかーら、オイラ達にバレないように操られてたんだって！！」
「ほう…？なら今操られてないという証拠はどこにある？」

……アレこれ下手したら殺されるんじゃなかろうか。