黒い騎士 (ページ22)

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「…………………………………………どこ……ココ」

宿…？
部屋の雰囲気的に宿…………だよな。机の上に何か置いてあるし。

食べ物と、手紙が置いてあった。

『起きたらコレ食べな！食べ終わったら部屋を出て左にある階段を降りて来て。そんだら状況説明してあげる！ちなみに今日で3日目』

宿の…人か。迷惑をかけただろうなぁ……大変申し訳ない。
包帯は巻かれてあった。熱も…下がってるし、動くのに支障はないな。

かごの中のバナナを食べてから、手紙通り階段を降りる。

受け付けの所に立っている女の人が僕を見た。

「あら！やっと起きたのねぇあなた！下の旦那とここ経営してんだけど、旦那があんた背負って来たときは浮気かと思ってひっぱたく所だったのよ！」
「はあ……じゃあやっぱり俺の事色々してくれたのは…あなたと、薬屋の主人ですか。お手数をおかけしました」
「いいのいいの！！この近くにウチより大きい薬屋が出来てから客がめったに来なくなってさぁ、久しぶりの人だったんだもの、お世話くらい焼きたくなるわよ！」
「……あの、包帯分のお代と宿泊料………………どれくらいになりますかね？」
「それね、旦那と話し合ったのさ」

僕が金持ってないってことは雰囲気で分かっていたとか。
ナニソレって思ったけど、下の薬屋でよく金を払わないで逃げていかれる事があるらしくて、それで金を持ってるか持ってないかが見分けれるようになったらしい。旦那さんが。

…薬屋の主人すげぇな。

「だからね、金の代わりに労働力で返してもらおうと思って」
「…薬屋の店番ですか」
「そうそう！3日分の宿代、包帯と鎮痛剤のお代、あと住み込みで働いてもらうから3食＋終わるまでの宿代！これらの分を払い切るのにざっと３週間！３週間の間、あんたにここで働いてもらうことになるけど…いいね？よくなかったらまた違う方法も考えるけど」
「あ、いや、それで大丈夫です。ただ…３食分のお代は抜いてもらってもいいですか？違う所で食べていくので」
「あらそうかい？じゃあ…１８日……いや、きりが悪いから１５日！１５日働いてもらうよ！」
「はい、それで……すみません、お願いします…」

ご飯は食べなくても生きていけるらしいからなくしてもらったけど…ご飯代すごいな？ほぼ１週間削れたぞ？いや、３日分は女将さんの気分か……。

薬屋の主人に起きた事とよろしくお願いしますという事を伝えたら「よろしくなぁ」と背中を叩かれてちょっと死ぬかと思った。