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……ああ。
どこまで行っても…………”希望の光”なんだな、お前は。お前らは。
「厄介だよ…貴様達は」
「お互いにね」
やっぱり、なれないな。
黒の軍勢を、”敵”を見る目で、義勇軍のみんなに見られるのは。
「……ここで潰えてもらう」
「それは貴様のほうだ」
「…っ！」
背後からシュザが斬りかかってきた。
気づかなくてすこし斬られてしまった……不甲斐ない。
”彼”なら避けていただろうに。
「仕留めそこなったか。だがまあ、貴様もここまでだ」
「貴様達では私は倒せん」
「だろうな。万全なら貴様など一刀に斬り伏せたものを。惜しい事だ……。俺が直々に貴様の首を刎ねられんのがな」
「どういう「こういう事だよ」」
直前に、ピリとした感覚があったのでそれを頼りに後ろからの奇襲を避けようとした。
…した、だけだった。
結局、またくらってしまった。
結構痛いなぁ……霧化も間に合わなかった。
鎧があったからそこまでではない…と思いたいけど。
いや、痛いです普通に。
奇襲してきたのはヨシツグだった。
これもまた久しぶりに見る顔だ。斬られたけど。
シュザがヨシツグに他の人達の事を聞いていた。
直に戻る、と。
なら鬼の皆は大体は大丈夫って事なのかね。
「と言う訳だ。3人がかりなら貴様もただでは済むまい。兵達も直に戻ってくる。お前の負けだ、黒い男」
「数に頼るか。所詮は貴様も弱者の内か」
シュザという男を本気でそう思っているわけではないけど。
むしろ強者の内だと思う。めっちゃ強者。
「…この借り、いつか返すぞ」
と言って、転移して城まで戻った。
城の図書館。
図書館の中にあるソファに倒れ込んだ。
怪我は放置してはいけないことは分かっている。
でも流石に痛すぎる。
包帯……持ってないな。
痛み止めも同じく。
金、ああ少しあるな。前から持ってきた少ないお金。
…霧化で直す事はできないだろうか。
ざぼっと一気に体を霧化させる。痛覚はそのままなんだな……神経は神経の形をしていないのに。
まあこの手の不思議はこの世界にはいくらでもあるから放置。
そして一気に霧化を解除。
「…………痛い」
痛い。
失敗か。やっぱりそんな都合いいわけないよな。
周りの黒の因子を使ってこう…背中の傷にあわせて固めるのは…どうだろう。
城の外の因子をこっちまで持ってきて使う。
城の中に因子なかったからね。
で。
「…………痛い」
痛い。
え待ってこれ八方塞がりでは？
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作者名：通行人O | 作成日時：2022年5月28日 11時
