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九領の暑さは、湖都とはまた違う暑さだ。

火山が活発だからそれの影響もあるのだろう。
砂漠の暑さと火山の暑さは違う。

……”前世”の方は火山の影響で気温が上がる、なんてのは少なくとも僕は聞いたはことなかったが。

九領に来るまで、二、三度霧化して進んで来た。
マナも使わないし、因子を操る応用で自分の身体の分の因子も操って進むことができたのでものすごく楽だった。今度から長距離移動は霧化して進むことにした。





御前試合、がまだ始まっていないことに気づいたのが30分ほど前。
どうせなら久しぶりな和食を食べたい、と思ったのが同じく30分ほど前。
ちょうど和食を取り扱っている店を見つけたのが20分前。

……味噌汁をすすっているときに、同じ店に入ってきた義勇軍に気づいたのが5分前。


5分の間、義勇軍の皆に捕まっている。

どこの地獄だここは。
でも和食は美味い。


「なーなー、名前なんて言うんだよー。教えてくれてもいいだろー?」
「……名乗る程の者でもない、と先程から言っているだろう」
「むー。名乗る程の者かどうかはオイラ達が決めるの!」
「ピリカ、カイン、いい加減にしなさい。困ってるでしょう、その人も」


いいぞもっと言ってくれミシディア。

……というか、彼らは今フィーナを取られている時だろう。こんな所でご飯を食べてていいのか。
腹が減ってはなんとやらの戦法なのか。どっちにせよ心臓に悪い。
運命は僕が嫌いなのか。

…嫌いなのだろうな。なんでもないただのニンゲンだった自分に人生を二度も繰り替えさせるような真似をしたのだから。


「第一、なんでそんなにつっかかるのよ、あんたたちは」
「だって、前一緒に戦ったろ?もう戦友じゃないか。友達の名前を聞いて何が悪いんだ!」
「そうだそうだ!」
「だから迷惑かけてまでこの子に名前を聞くほどなのって言っているのよ」
「げほっ」


ミシディアさん、味方してくださるのは大変助かるのだがちょっと背中を強く叩きすぎかと。
あなたもなんだかんだ言ってカインらの味方をしているのか。

……っていうか「この子」って…………。


「んー、でもなんか、どっかで会ったことある気がするんだよ」
「そりゃあそうでしょう」
「ううん、違くて……オイラ達の思いもよらない所で会ってそうな気がするんだよ」
「!!!」
「そうかぁ?」
「考えすぎじゃないか」
「うーん…」


…………気づいてない。
でも……もう少し、気をつけるようにしよう。

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作者名:通行人O | 作成日時:2022年5月28日 11時

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