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さてさて、実験はまだ続くよ。

これが一番気になってたやつね。

スバリ、自分の体を因子化することはできるのか。


……ほら、某ひとつなぎの大秘宝を巡る海洋冒険ロマン漫画とかでさ……やってたのよ。
できそうな体になったら……やりたくなるじゃん?

もとの体に戻れなかったら戻れなかったで、黒の因子になってフィーナの背後霊的存在になればいいし。


どうやればいいかな。

手の先に体中の因子を集中させてみる。うっわ黒くなったキモチワルという感想は一旦置いておいて。

この、因子を……どうしよう。

普通の因子を操るようにしてみる。


「…………うわっ!!」


手がなくなったっ!??


えっまってこれどうしようどうすればまさかできるとはおもわなかったんだけどねえこれどうしようてがなくなったんだけどこんなことほんとにできるとおもわなかったんだ。

えっ、えっ……えぇ…………これどうしよう…?

手がなくなったって……ええ……???
もど、戻、せる、の、か?


「……あ…もどった……」


黒の因子を手の形に整えたら……戻った……。

よかったー……。
今一瞬ガチで焦ったよこれ。


で、これを全身くまなく霧化させる、と。
やってみようかな。

もしできたら霧のまま聖都までいってみても面白いかも。



ザラザラ、と自分の体が崩れていく。

霧化、完了。
元の体に戻ろうと思えば戻れるから、これはもうまごうことなき成功ってことでいいね。
どういう仕組みかはわからんが服も霧化から戻すことが出来た。これは深く考えちゃいけないやつだな、きっと。

ふやふやとそのまま聖都に飛んでいってみてもいいなと思ったんだけれど、そろそろ精霊島に行かないといけない時期なんだよね。

しょうがないので、遠出はまた今度試してみることにする。

霧のまま城の中へ入る。
うわすごい、扉の隙間から部屋ん中に入れる。おもろ。ちょっと楽しいぞ。


そうだ、この因子をバラバラに飛ばしてどこに何が在るかとか察知できないかな。

思いついたら即行動。楽しそうだしね、こういうの。

城の中にある因子もちょっと借りて体積を増やし、飛ばしていく。

床沿いに飛ばしていくといいよね。
因子を飛ばしたところにエイレヌスとかが居て、歩いたら因子が踏まれてわかるみたいな。伝わるかな。僕、語彙力ないんだ。許してくれ。

というか、考える脳みそは因子化されてるのに思考することはできるんだな。


つくづく、不思議な世界だと考えたりする。

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作者名:通行人O | 作成日時:2022年5月28日 11時

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