ホワイトの君へ ページ9
今日も朝のこの時間はラウ君との二人きりの時間
自分の中でラウくんの存在はどんどん大きくなっていた
でも相手は高校生 こんなおばさんのこと本気で好きになるなんてない
一時的なものだと自分の気持ちを胸の奥底に閉じ込めた
だから この二人きりの時間がもあくまでお姉さんとして話を聞いていた
朝いちばんに制服を着たラウくん
毎日さわやかだな〜
ラ「おはよう Aちゃん」
「おはよう」
ラ「この前の映画面白かったね」
「そうだね 今度DVDが出るみたいだよ 面白かったから買っちゃおうかな」
ラ「えっ そしたら一緒にまた見れるね」
「そうだね 一緒に見ようね」
ラ「こうやって Aちゃんを独り占め出来て 嬉しいな」
そういいながら 上目遣いで見つめてくる
どこでそんな技を覚えたの？
「ラウくん あざとい警察に通報するよ」
ラ「それって ちょっとはドキドキしてくれたってこと」
ラウの大きな手が私の手を包んだ
ラ「Aちゃんの手 小さいね」
「ラウくんの手が大きいんだよ」
ラ「Aちゃん 今はまだ高校生で頼りないけど
大学生になったら お付き合いしてください」
まっすぐに見つめられて 真剣な告白に
私も自分をごまかしたらいけないと思った
「ラウくん ありがと
正直なこと言っていい？」
ラ「うん」
「今の私を好きになってくれてありがとう
私はラウくんより すごく年上で あなたの将来のこと考えると
その手を握り返すことは出来ないって思ったの
でも すごくうれしいよ
もし この先 ラウくんが大人になって
それでも私のことが好きって気持ちがあったら
そのときは一緒に居たいな」
ラ「分かった きっと大丈夫 僕の気持ちはずっと変わらないから
必ず迎えに行くから 待ってて」
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年10月5日 11時
