１７こどもの王様 ページ17
「けがの手当てすらできねえのになんでマネージャーなんてやってんのお前」
びっこを引くような足取りで練習に戻る木暮を見送ったわたしに不動はそう言った。正論といえばド正論。嫌味のつもりなのか、ただ単に気になっただけなのか分からないけれど。
「わたしマネージャーじゃないよ」と告げれば三白眼が大きく揺れる。「はあ？何しにきてんだよ」いちいち喧嘩腰だなおいやるかこの野郎。ちなみに勝機はゼロです。
「お手伝いさんなの。普段は秋ちゃんとかがいるからいいの。ていうか夏未ちゃんだって不器用だし」
「自分の事棚に上げんな。絆創膏くらいでビービー泣きやがって不細工だったからな」
控えめに言ってぶっ飛ばしたい。わなわなと震えるわたしにポッケに手を突っ込みながら余裕の表情をかます不動。ていうか今日初めて喋ったのになんでこんなに反抗期なのなんなの、同じ帝国なら源田みたいな優しさが少しでも芽生えてもいいんじゃないの。テメーは俺を怒らせた…。
「つーかお前さあ」と巨悪の根源が呟くのが聞こえたくなかった。腹立つからこれ以上話したくないんだけど。なに、と不機嫌丸出しで返事をしながら、わたしはこのことを誰に愚痴ろうか考えていた。
「さっき自分で言ったこと覚えてるか？」
「は？絆創膏貼ってでしょ」
「ちげーよ、そのあと」
そのあと。ふと思考が止まる。不動の腕を引っ張って、木暮の目の前に押し付けて。そのとき。「お前、何でもするって言ったよな」不動の声が重なった。
「いや、言ってないっすね」
「なにとぼけてんだ、エグ画像送り付けるぞ」
「なんでそんなピンポイントに嫌がらせできんの！？」
思わず叫ぶわたしの腕を不動が掴んだ。
いたい、と思う間もなくそこにあった距離が奪われて、すぐそばに無駄に整った顔面。浅い吐息が頬にかかった。甘い香りは香水だろうか。
「なっ、なに…」「いいから。聞け」耳元の呼吸音がやけに脳みそに響いてる。急なことに処理が追い付かないまま、不動は言葉をつないだ。
「今夜のサラダ、トマト入ってるだろ。絶対俺のに盛り付けんなよ」
「…は？」
いいか、絶対だからな。低音ボイスが耳に残った。
呆けてしまったわたしの顔を覗き込んだ長いまつげが、挑発するみたいにまばたきを繰り返す。
「おい聞いてんのかポンコツ」「……ょ」「あ？」
「知らねーよクソガキ！！」
結局トマトは抜かされた。
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猫好き - 分かりました。今度からそちらのサイトを見ます。 夏休み明けですがこちらの小説を見て気を引き締めて頑張ります!!。笑 主さんも体調に気をつけて執筆してください。 では失礼しました。 (2018年9月3日 8時) (
レス) id: d939300772 (このIDを非表示/違反報告)
志穏(プロフ) - 猫好きさん» 心温まるコメントありがとうございます！とても嬉しいです！実はサイトを移転することにしまして、今は別のところで執筆しております！【https://alicex.jp/ontr111/】こちらで続きを載せているので良かったらよろしくお願いします！ (2018年9月3日 6時) (レス) id: e87830b919 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 初コメ失礼します。 作風などがとても好みで続きが楽しみです。 風丸とアフロディ好きなので、出来ればでですけど見てみたいなぁ~と思います。上から目線ですいません。 汗 では長文失礼しました。 続き楽しみにしてます!!。 (2018年9月2日 20時) (レス) id: d939300772 (このIDを非表示/違反報告)
はしまき(プロフ) - カイガさん» いま1番すきな作品です…！更新がんばってください！ (2018年8月16日 11時) (レス) id: b90d5ba7ae (このIDを非表示/違反報告)
カイガ - 面白いです！頑張ってください！！ (2018年8月12日 19時) (レス) id: 4d2b158f71 (このIDを非表示/違反報告)
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