友人4人と俺の話 (ページ6)

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第5話ページ6

夜21時。SNSの宣言通りに生放送が開始される。
放送の準備が終わり流れ始めたコメントに目を通しながら、集まっている視聴者に緩く挨拶をする。

『はい、お疲れ』

＜お疲れ〜
＜わこつ
＜わこつー！
＜Aくんお疲れ様です！✨

『どうなのよ、最近。元気してんのあんたたち』

＜実習始まった〜
＜先週別れました。
＜バイト始めた！
＜仕事してた。

『別れた…？それは詳しく』

自分の話もいいが、視聴者の気になる話も拾っていく。
先週フラれたと語るリスナーの話と、それに同情する声で埋まっていくコメント欄。
まるでその場で会話をしているように、Aも『男が悪いよそれは。君が病む事じゃない』などと、恋愛マスターを気取った回答をする。

『そうそう、俺仕事辞めまして』

＜え！？
＜まじ？
＜脱社畜？
＜辞めれたの？

『こういう話も動画にしようか迷ったんだけど別にそんなでかいニュースでもないなって思って』

＜ほんとお疲れ
＜これから動画増える！？
＜お疲れ様ー！

『動画、まぁ、そうね。実写とか最俺も出来るようになってくるね』

＜やったー！
＜嬉しい
＜命救われる

『そう、そんで会社最後の日にバレちゃってさ』

＜は？
＜マ？
＜え？まじ？
＜やばくない？

『今みてんのかな…みてないか、キヨの視聴者っぽかったし。そんでさ、別れ際にクソ恥ずかしい対応しちゃってさ』

＜会社って事は顔隠してないよね？
＜顔バレも同時にしたのか
＜Aくんの顔みたい

『ずっとその人「え…？」みたいな反応してて、その日フジが迎え来たっけ車で泣いた』

＜恥ずかし過ぎて？
＜迎え…？
＜反応的に滑ってましたやんそれ
＜フジと仲良すぎ

そのやり取りを思い出しては顔が熱くなり、会社での話は早々に打ち切った。
放送開始から30分、ゆっくり話していたはずなのにまだこの時間なのかとデスク横の棚を漁り出す。
1時間以内で出来そうなゲームを漁り、準備を始める。

『高速青鬼ぃ？キヨの専用ゲームじゃなかったのぉ？』

＜違うからw
＜んなわけねぇだろ

『俺の動画ストック無くなった時用に撮っとくわ』

＜生撮影助かる
＜ええで
＜明日上がってたら笑う

『明日は編集間に合いません。そんな訳でメンバー切り替えまーす』

そこから数時間ゲームをして、倍速のスピードに中々対応出来ず苛立っていたが、キヨがクリアしたという負けず嫌いの意地で最後までやり切り、放送を終了した。