９話 ページ9
私は今、どんな顔をしているだろう。
お得意の愛想笑いを浮かべているつもりだけど、うまく笑えているかな。
「まさか同じマンションだなんて、全然気づかなかったよ」
「本当にね……登下校していて、なんで気づかなかったんだろう」
呆然としながら呟く緑谷くんに、苦笑いを浮かべながら相槌を打つ。
ほんと、よりによってどうして同じマンションなんだ。
……下手をすれば、虐待のことを知られてしまう。
それだけは避けなきゃ。
なんとなく流れで緑谷くんの部屋番号を聞いた。彼はあっさりと教えてくれたけど、それは私たちをさらに驚かせるものだった。
「……えっと、私の家、その上の部屋なんだけど……」
「えっ」
思いがけない偶然の連続で思考が追いつかない。
緑谷くんも私も、混乱しっぱなしだった。
お互い「すごい偶然だね」なんて言って笑ったけど、私は内心穏やかじゃない。
正義感の強い緑谷くんに家庭事情を知られたら、まず間違いなく警察に通報される。それは困るんだ。
……あれ？私、なんでバレることを恐れてるんだろう。
むしろ、両親がお縄についたら、もう殴られなくてすむのに。痛いのはなくなるのに。どうして。
私は被害者だから、なにも警察を怖がる必要ないのに……
「風見さん？どうしたの？」
考えが表情に出ていたのか、緑谷くんが心配そうに声をかけてくる。
慌てて取り繕うように笑った。
「なんでもないよ！」
私の愛想笑いは武器だ。
笑っておけば、なんとかなる。
そうやって、今まで生きてきたから。
友達だと言ったはずの緑谷くんさえも、笑顔で欺くのだ。
それ以外の生き方を、私は、知らない。
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豆花 - 食塩水さん» あ、ありがとうございます！注目のところの結構上の方にあるので……良かったらどうぞ！処女作で更新エグいぐらいに早いですが！題名一様書いときますね、「私の個性はアフロディテ。」といいます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 9cf03f9072 (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - 豆花さん» コメントありがとうございます！完全に自分の趣味を詰め込んだ作品だったので、そう言っていただけて嬉しいです！そうなんですね、読みに行きます！ (2019年5月7日 8時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
豆花 - 出久推しなので来ました。転生ものも好きです。来て良かったです！夢小説少ないので、更新頑張ってください！自分も頑張るんで！(出久落ちのものを書いているんです！) (2019年5月6日 21時) (レス) id: 9cf03f9072 (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - 華さん» コメントありがとうございます！たしかに緑谷くんの夢小説って少ないですよね……ご期待に添えるかは分かりませんが、出来る限りがんばります！ (2019年5月2日 19時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
華 - 私も、デク推しでなかなか小説では、ないのでとても嬉しいです！これからも更新ガンバ待ってください！ (2019年5月1日 10時) (レス) id: a9ff35acc2 (このIDを非表示/違反報告)
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