05.あーん ページ5
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「…お疲れ様で―す」
ノックもせずに永瀬の楽屋へ入ると、鏡越しに目が合う。
永瀬は目をぱちぱちとさせ、振り向いて私を再確認した。
「…え、Aやん」
「ひさしぶり、」
「え、なんで！ラジオ収録はいつも暁やん」
「うん、そうなんだけどさ、今日は私が同伴。」
「ほーん…なぁ、こっち来て」
隣の椅子をポンポンと叩き、”こっちこっち”と手招きをする。
私は言われるままにそこへ腰を下ろした。
「………」
「……なに、」
永瀬は無言で私を見つめる。
その視線に耐え切れず思い切り顔をそらす。
「A、痩せた？」
「……きっしょ」
「なんで！？」
確かに、痩せた。
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「１キロちょい痩せたよ。」
「やっぱし。俺の昼の残り食う？」
「お腹空いてない」
「そこにレンジあるからちょうどええやん。
そういやさぁ、この間紫耀のやつが―…」
永瀬は私の話なんぞ聞かずにごそごそと残り物の弁当を取り出す。
いらないっつってんのに
「お箸無いじゃん」
「俺の使用済みのならあるで。あ、メルカリで売るなよ？」
「私メルカリやってない」
「え、そうなん？結構便利やでアレ」
最近は私の受け流し方を覚えたみたいで、こんな風に日に日に永瀬のペースに飲み込まれてしまう。
末恐ろしい。
「ほら、あーん」
「じ、自分で食べれる」
「ええからほら、口開けろって」
唇に押し付けてくる卵焼きから、良い匂いがする。
その匂いにつられるように口を開けると、ぐいっと口の中に放り込まれた。
「…んまっ」
「やろ？ほれみろ〜」
私が美味しいといっただけで、永瀬は満面の笑みを咲かせた。
お節介だなぁ。
つい私の頬も緩む。
「ほら、もう一口。野菜も食べんとやろ？」
「も、もういいって」
「まだ一口しか食ってへんやろ」
「自分で食べるっつってんの！」
「駄目や。このお箸俺のやもん」
「暴論にもほどがあるでしょ…」
なんだかんだ言いながら、こんなくだらない会話が一番肩の力が抜けてホッとする。
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たんこ(プロフ) - 更新嬉しいです！ありがとうございます。KINGバージョンのときから見てるのですが毎回更新されるたびに本当に嬉しくてワクワクしながら見てます！ (2021年4月20日 15時) (
レス) id: 203b35fd4d (このIDを非表示/違反報告)
れんかい坦です♪♪♪♪ - こんにちわ？！。とても、面白いです。投稿頑張って下さい！応援します。 (2020年5月1日 17時) (レス) id: 5af3fd4f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しお
x他1人 | 作成日時：2020年4月21日 22時
