39.変だ ページ39
「……げ」
ふいに自分の頬に手を当てると、小さなプツッとした触感。
ニキビだ。
久しぶりにできた…
紫耀「ん？どした？」
険しい顔で顔を触っていると、水分補給を終えた平野が私の顔を覗き込んできた。
「見ないで」
紫耀「へ？なにどしたん」
「ちょ、見ないでってば」
ニキビを見られたくなくて必死に顔をそらす私を、平野は面白そうにからかう。
紫耀「何や、見してや」
「はなしてー！」
紫耀「なんやただのニキビやん。こんなん気にしてたん？可愛いな」
「うるさいっ」
私の両手を掴んで、まじまじとニキビを見つめる平野に軽いキックで反撃したが、まったくノーダメージのようで「はは、やめろって」とへらへら笑っていた。
勇太「せんせー。そこのバカップルがいちゃついてまーす」
暁「お前ら授業中だぞー。いちゃいちゃすんなー」
海人「そーだそーだ」
と、変な三文芝居が始まったところで永瀬がやっと練習室に顔を見せた。
廉「おつかれー。すまん寝坊したわー」
やっと来た。
私は平野のそばを離れ、永瀬のもとへ行こうと腰を上げた。
…だが、すぐに腕をひっぱられ平野のひざの上に着地した。
…？
紫耀「遅れたお詫びに全員にジュースおごりなー」
勇太「俺キリンレモンでいいよ」
廉「”でいいよ”ってなんやねん。奢らんからな。」
海人「ちぇ、けちー」
「…ひらの？」
皆が駄弁りを続ける中、私はそっと平野に声をかける。
紫耀「ん？」
「どう、したの？何かあった？」
紫耀「んー？別に」
まるで「何もないですよ」みたいな顔して、私を後ろから大事そうに包み込む。
…どうしちゃったんだろ。普段こんなスキンシップあまり無いのに。
廉「…A、こっち」
とうとう廉に呼ばれ、私は再び腰を持ち上げようとしたが、そこで少し躊躇する。
明らかに平野の様子が変だ。
何かあったに違いない。
そう私の勘が言っている。
廉「…？…A?」
「っあ、うん今行く」
平野の腕の中から抜け、廉の元へ近づくなりすぐに指を絡めてきた。
すると廉は満足そうにしてまたスマホに視線を落とす。
勇太「ここに本物のカップルいたわ」
海人「紫耀、廉にA取られちゃったねー」
紫耀「ははっ」
いつもどおり笑っている平野に少し安堵したが、それでもまだ胸の中に違和感が残っていた。
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たんこ(プロフ) - 更新嬉しいです！ありがとうございます。KINGバージョンのときから見てるのですが毎回更新されるたびに本当に嬉しくてワクワクしながら見てます！ (2021年4月20日 15時) (
レス) id: 203b35fd4d (このIDを非表示/違反報告)
れんかい坦です♪♪♪♪ - こんにちわ？！。とても、面白いです。投稿頑張って下さい！応援します。 (2020年5月1日 17時) (レス) id: 5af3fd4f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しお
x他1人 | 作成日時：2020年4月21日 22時
