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6.ご遠慮ください ページ6
「何馬鹿なこと言ってんの。瑞稀」
私が瑞稀の名前を呼んだ途端、瑞稀から表情が消えた。
先ほどまでの気まずそうな様子は消え去り、代わりに驚きとも言えそうな反応を返した。
「…え、あ…その」
「うん？何？」
瑞稀はしばらくたじろいだ後、私に顔を近づけ、小声でこう言った。
「これ、罰ゲームなんだよ。」
…ああ、なるほどね。それでさっき楽しそうにじゃんけんをしていたのか。
まったく、大学一年生にもなって何をしているんだ。私の幼馴染は。
でもまぁ元気そうでなによりだ。
「すまん、幼馴染のよしみで今だけ協力してくれよ」
「はぁ…」
特に断固として断る理由もないし、こんなこと、知らない客からも数回あったし、(テイクアウトなんざは初めてだけれども)
別にいいか。
「今度何か奢ってよね」
私は一言そう吐き捨て、控えめに微笑んでやった。
「そちらの商品のテイクアウトはご遠慮ください。ご注文をどうぞ」
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作者名：しお
| 作成日時：2020年2月20日 20時
