箱入り少女 King&Prince (ページ18)

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18.後悔　暁side ページ18

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暁side

ジャニー社長に死は、本当に突然すぎる出来事だった。

あまりに突然すぎて、何も実感がわかなかった。

葬式のときだって、まだそこでジャニー社長が笑っていそうでまるで質の悪いドッキリのようにすら感じられて。

それほど予想外の死だった。

何かAちゃんに声を掛けてやるべきだと思っていた。けれど

葬式中、事務所の大人に囲まれたAちゃんはただ無感動な瞳で地面を見つめているだけだった。

そんな表情を見て、掛ける言葉も失った。

今は、そっとしておこう。

…今思えば、その選択は間違いだった。

やはり何かしてやるべきだった。無理やりにでもこの子の感情を引き出すべきだった。

全ての感情を本人ひとりで抱え込んだAちゃんは、もう壊れる寸前だったのだ。

「…っおじちゃんに…会いたいよ…会いたいよぉ…！」

消え入りそうな声で嗚咽を上げるAちゃんはきっと今、その小さい背中には大きすぎるものを背負っている。

そんなAちゃんに、俺が今できることは何だ。

「…ごめんAちゃん。行先変えるわ」

「…え？」

「明日からライブがあって、これからそのリハーサルなんだよ。」

「でも私…っ」

「証明しようぜ。自分の居場所が在るか。行けばきっと何かしら正解が見つかるだろ。」

俺がそう言えば、Aちゃんは涙を拭い、小さくうなずいた。