群青のヒロイン (ページ36)

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36.夜ご飯ページ36

「あ！永瀬先輩お疲れ様です！」

17時ぴったりに今日も先輩は現れた。

さぁ今日もバイト頑張るぞ。

「ねぇねぇ先輩」

「ん？」

「こういう本ってレジ前に置いてもいいんですかね」

私はレジの端においてある雑誌を指さす。

先輩は首を傾げた。

「？別にええやろ」

「でも、小学生もレジ来るのにこういう本ここに置くのは…」

「水着やから？」
　
「はい。成人コーナーはちゃんとあるし、そっちに置けばいいと思うんですけど」
　
「これ成人雑誌やないで」
　
「えっ！？」
　
「ただの漫画雑誌」
　
「そうだったんですね…私少年誌か少女漫画しか読まないもんで」
　
「…マガジンは少年誌やけど」
　
「えっ！？」

「ぶはっ」と、永瀬先輩が吹き出す。

笑顔を見るのは久しぶりな気がして、私も笑顔になった。

「あぁそうや、A今晩何が食いたい？」

「え？私リクエストしちゃっていいんですか！」

「俺はとくに食いたいもんないしな」

「やったー！じゃあ～！何がいいかなぁ」

先輩の料理はお世辞抜きで本当においしい。

王道にハンバーグかな

でも先輩の作ったカレー食べたい！

あ…いやでもカレーとか手間かかっちゃうか

「ふはっ、一人で百面相しとるで」

「だって決まらなくて…！」

「何でもええやろそんなの」

「よくないー！」

そんな言い合いをしていると、入店の音楽が鳴りお客さんが入ってきたことを知らせる。

「いらっしゃいませー」

いい加減業務に取り掛かろうと、前を向きなおしたとき

懐かしい声が耳に入った。

「…A？」

聞き覚えのある声に振り返れば、そこには中学時代の部活仲間が居た。