群青のヒロイン (ページ27)

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27.意地っ張りページ27

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永瀬廉side

「お前さ、考えろよ。何でこの時間にＬチキ２つも揚げたん？」

『私はこの時間にＬチキあったら食べるもん」

「もんじゃない。真顔で言うな。これからは俺に確認とれ」

「はあい」

今日もこうしていつもと変わらずバイトに来とるんやけど、相変わらずコイツは自由人だ。

俺はいつもそれに振り回されてばかり。

「そういえば、もうすぐ夏祭りですねー」

「あぁ…せやなぁ」

店内に張ってある夏祭りのポスターを見つめながら、そんな話を始める。

俺はポスターのでっかい花火を見つめたまま、切り出すように聞いてみる。

「…彼氏とかと行くんか？」

「え？でも、バイトのシフト入りそうだし行けそうにないですよねー」

…それは居るっていう解釈でええの？

ていうかなんで俺がこんなにモヤモヤせんとあかんのや。こんなん俺が好きみたいやんけ。

ばかばかしい。

「先輩は彼女と行かないんですか？今なら休みれられますよ」

「え？俺は別に…」

”彼女はおらん”

そう言おうと思ったが、変な意地で言葉が詰まった。

なんというか…負けた気分というか。

「そうやな…行こうかな」

そういったとき、微かだがAの目の色が変わった…気がした。

「…―――」

俺が声を掛けようとしたその時、レジのカウンターから物音がして

俺等はすぐに振り返る。

「やっほ。廉」

ご機嫌な様子の神宮寺が立っていた。

俺は「うげ」と声が出そうになるが、かろうじて飲み込む。