恋はやがて泡になる。【灰谷蘭】 (ページ18)

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18.ストレートティーページ18

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天から雨、地には花。

『すみませんっ、お待たせしました。』

コンビニで買い物をしたいというAを待つ間、

俺は外で雨の降る中、傘を差して待っていた。

無論、今までの女なら一秒も待てずに置き去りにしている。

蘭「走るな、転ぶぞ。早く傘入れ。」

『ありがとうございます。コレ、お土産です。』

そう言って俺に渡してきたのは肉まん。

そうか、そろそろコンビニに肉まんが置いてある時期か。

蘭「俺はいいから、お前食え。」

『私はこれがあるから大丈夫です。』

コンビニ袋をガサガサと探り、出てきたのは俺が前に「いつも買う」と言っていたストレーティーのペットボトル。

蘭「お前それ…苦手だったろ？」

『好きな人の好きなものは、私も好きになりたいんです！』

蘭「…鼻水出てんぞ」

『うそっ？！』

蘭「うそ～」

醜いとばかり思っていた女も世界も、Aと居るとそう思い込むことが不自然に思えてくるから不思議だ。

こんなロクでもない世の中で、目の前のコイツは今日も俺に微笑み続ける。

『どうせ雨降るなら、雪降ってほしいですね。』

蘭「はぁ？さみーだろ。」

『雪は嫌いですか？』

Aの好きなものなら、俺も好き。

つってな。言うかバーカ。

蘭「まぁ…別にキライじゃねーけど」

『じゃあじゃあ、雪降ったら皆で雪合戦しましょう！』

蘭「発想が田舎者だな。てか皆って誰だよ」

『竜胆くんとか？』

蘭「寒いしパス。」

『じゃあこたつでみかん！』

蘭「そこはアイスだろ。」

『風邪ひきますよ？』

見たことないものを見た。

初恋

独占欲

寵愛

それからコイツ。

秋吉A

見つけ出した答えを二度と離さないように

Aの手を強く握り返した。