22.初めての感情 ページ22
蘭「二人でコソコソ俺にナイショ話〜?」
竜胆「兄貴、これは違くて…」
蘭「秋吉チャンは、俺より竜胆のほうが気に入ったカンジ?」
『蘭くん…!』
Aがそんな奴ではないのは言わずもがな知っている。
けれど、この時の俺は冷静ではなかった。
初めて芽生えた「嫉妬」という感情に、自分を制御しきれなかった。
蘭「竜胆、ソイツやるよ。まだ処女だろうし食べ頃じゃね?」
竜胆「兄貴、コイツは…!」
『やめて竜胆くんっ!』
…は?何?また俺にはナイショの話か?
蘭「あーひょっとしてもう竜胆のお手付き?なんだそれ笑えるな。」
考える前に、言葉が口から零れていく。
焦燥
嫉妬
動揺
落胆
色んな感情が混ざり合う。
…もう、止めだ。
蘭「…オレ帰るわ。」
これ以上悲惨な俺をみられたくない。
踵を返してフラフラと来た道を戻る。
『蘭くんっ!!』
途中で、控えめに俺の制服の裾を掴んだのはA。
蘭「離せよ。」
『蘭くん、あのね…』
蘭「ウザい。」
『……え』
Aの手から力が抜けていくのが分かった。
蘭「お前さぁ、ウザい。もう話しかけんな。消えろ。」
自分を抑えれば抑えようとするほど、思ってもいない言葉が溢れた。
言ってしまえば振り返ることができない。
『…そっか、分かった。』
そこからどうやって帰ったか覚えていない。
気づいたら、乱れたベッドの上で知らない女と寝ていた。
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作者名:平 | 作成日時:2021年11月24日 14時