百十三件目~つかのま~ ページ9
今日は珍しく閻魔大王、鬼灯、優季の三人で法廷で仕事をしていた
閻「はぁ〜…盂蘭盆が終わると静かだね」
鬼「そうですね。そろそろ次の裁判が…閻「え〜わし疲れたよ。ちょっと休憩しない？」
貴「閻魔大王は休みすぎです。もっと仕事してください。」
閻「え〜…」
そんな閻魔大王を無視して、次の亡者の資料を用意していると閻魔大王が
閻「ねぇ鬼灯君、優季ちゃん、百物語って知ってる？」
鬼「ロウソクを並べて、百の怪談を語るあれでしたら…存じておりますが？」
閻「あれ面白いよね。皆怖いのによくやるよ」
貴「手頃なスリルなんでしょう。それがどうしました？」
閻「いや、人って不思議だよね。怖い目には遭いたくないのに、怖いものに惹かれるんだよね。」
鬼「あ、もしかして閻魔大王もスリルを欲して？わかりました。今すぐチェーンソーを持って参ります。」
閻「違うよ！！なにサラッと言ってんの！？わしが言いたいのは、いつの時代も怪談が流行るなぁってこと！」
貴「ああそういうことですか。怖い目に遭いたいのかと思いました。」
閻「優季ちゃんまで！！」
鬼「私もそう思ってました」
閻「さては二人でリアル鬼ごっこするつもりだったな！？」
貴「(その通りです、閻魔大王)」
閻「(すごい悪寒が…)わしが人間だった頃も、怪談を話せる人は人気あったな。」
鬼「現代でも稲川淳二氏は、夏の風物詩として人気ですね。」
閻「君、そういうの見るの？」
鬼「ええ、好きですよ。今度優季と見る約束してます。」
貴「語り口とか好きなんですけど、肝が1ミリも冷えないのが残念ですね。」
閻「そりゃ、そうだろうね…」
鬼「そもそも現世の怪談の類は、後輩と飲んだときに聞かされる武勇伝と大体かぶっているもので。」
閻「皆現世でなにしてるの！？」
貴「普通に化けたりしているそうです」
閻「そうなの！？ていうか、君達そういう付き合いはしない主義だと思ってたよ。飲みに誘っても全然来ないんだもん。」
鬼+貴「閻魔大王の誘いは断っています」
閻「なんで！？わしのなにが嫌なの！？」
貴「特になにがという訳ではないのですが…」
鬼「お孫様の話を延々聞かされるのが辟易するというか、飽きるというか…」
閻「結構具体的に嫌なんじゃないか！ていうかわし、そんなに孫の話してる？」
貴「してますね。気持ちはわからなくもないですが、5回目からはキツイです。」
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作者名：悪魔 | 作成日時：2018年4月28日 4時
