番外編~記憶2~ ページ49
鬼「そうか…よかった…」
貴「丁…ごめんね。あの時守ってあげられなくて…」
鬼「なに言ってるんだ…優季がいたから私は毎日が楽しかった。そんなことを言うな。」
全「(鬼灯君/様が泣いてる…)」
貴「私も丁がいたから毎日が楽しかった。ありがとう(ニコッ」
鬼「…」
鬼灯の頭を撫でると優季はスッと立ち上がった
貴「丁…いや、鬼灯。ちょっと村長の鎖とってもいい?」
鬼「ああ」
村人の中にいた村長の鎖を刀で切り、地面に膝をついた村長を優季は冷たい目で見下ろした
貴「久しぶり、村長」
村長「ああ…優季か。久しぶりだな…」
貴「私の事覚えててくれたんだ?」
村長「当たり前だろう」
貴「まぁそんな事はどうでもいいんだけど、一つ聞いていい?」
村長「なんだ?」
貴「村長さぁ、あの時私に言ったよね?私が雨乞いの生け贄になれば丁は生け贄にはしないって。村の一員としてちゃんと生活できるようにするって。」
鬼「なっ…」
村長「…」
貴「どうなの?まぁ丁は今鬼灯としてここにいるわけだし、なにかあったことは確かだよね。」
鬼「優季!それはどういう…貴「鬼灯は少し黙ってて」
貴「村長?私に嘘ついたの?」
村長「っ…し、仕方なかったんだ!お前が生け贄になっただけでは足りなかった!!雨も降らず、民も食糧不足で…だから、もっと生け贄が必要だと思い…貴「丁を生け贄にしたと?」
鬼「ッ…」
村長「そうだ!あのままでは全滅していた!!そうならないために…!!」
貴「あのさぁ、なんでアンタ達のために私達の命を差し出さなきゃいけないの?私達にはアンタ達への恨みしかないんだよ。散々こき使われて、その挙句殺されるなんて…」
村長「いままでみなしごのお前達を私の村で生活させてやったんだぞ?親もいない、なんの価値もないお前達を住まわせてやったんだぞ?お前達がいなくなっても誰も悲しまない。ちょうどよかったんだ!」
閻「なんっ…貴「みなしごってだけで、人の価値ってそこまで違うの?」
村長「そうに決まってるだろ!お前達には生きている価値がなかった…貴「ふざけるな!!」
優季は刀で村長の腕を切った
村長「ぎゃあああ!!!」
貴「…うるさい…腕一本でそんなに騒ぐな。次うるさくしたら声帯たたっ斬るからね。」
村長「ひっ…」
貴「丁はたった一人の私の家族だったんだよ?すごく嬉しかった!!それなのに、よくも…」
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作者名:優季 | 作成日時:2018年1月30日 15時