逃げろ。【ホラー】

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私は驚いて、小さく声を出した。


今、何だろう。弓を持つ感触が少し変わったていうか…さっきまでは掴みきれるかどうかだったのに…


今は、手にフィットするって言うか…


「…ッ！」


手に携える弓を見て、目を見張った。


弓が…私の願ったとおり小さくなってる…―――？！


先ほどまでは肘くらいまでだったのが、その２分の１くらいに縮んでいる。


もしや、と思い矢筒を見るが、それも同様縮んでいる。


それを見て、思う。


――――もしやこれは、変幻自在の道具なのでは…？


大きさが変わる。それがわかったから…後もう１つの条件は。


「じ…銃になって…？」


『そのもの自体を変えられるかどうか』。


それを確かめるべく、適当に思いついた武器になりそうなものの名称を呟く。


だけど…銃に変わるような様子はない。


おかしいな…さっきはすぐ変わったのに。


銃じゃダメなのかな？


「えっとじゃぁ…鉄パイプ？」


これも変わらない。


「ナイフ、鉈、鎌、剣、槍！」


様々な武器名を呟くがこれもダメ。


その後もいろいろと検証しても見た結果、とある結論にたどり着いた。


これは、大きさのみを変えられる。


ちなみにいろいろ試した結果、最大で一般サイズから最小手のひらサイズだった。


形も変えられたらなと思うが、大きさが変わっただけ感謝せねばならない。


これを隠すことができるのだから。


これで私は晴れて裏切り者。だけど、構わない。


私は弓と矢筒をポケットサイズに変えると、上着のポケットに仕込んだ。


入れた瞬間、私は岳斗たちに会いたい衝動に駆られる。


――――待ってて、岳斗、風露。


今行くよ…！


私は、彼らの元へと向かうべく走り出した。

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