検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:141,200 hit

29 ページ34







「大丈夫かな、A…」


俺は両手を組み合わせ、祈るような形で呟いた。


先程からこれを何回も繰り返している。


だって、Aになんかあったら…最悪、殺されてるなんてことも…


「大丈夫よ。どれだけ心配してんの…1分おきには呟いてるんじゃない?

だって、Aは強い子だって…あんた、知ってるでしょ?」


俺のつぶやきに返答したのは風露だった。


彼女は背中を柱にくっつけて、呆れたように溜息とともにそう言った。


その一言で、確かにそうだ…と思う。


Aの精神力は強靭だ。その彼女が、1人になったくらいでへたばっているはずがないだろう。


そう言えば…俺はどうしてこんなにもAを心配しているのだろう?


1人、という単語に、そう疑問を持つ。


もしかして、アイツとAを…どこかで重ねているからか?


それを言ってしまえば…アイツの精神はかなり脆かった。


そんなの、傍にいた俺はわかっていたはずだったのに。


どうして俺は、裏切ってしまったんだろう…―――?


「そうだ。Aちゃんは強い子だし…こんなところで負けているはずがないよ!」


俺の思考を中断させるように、震えながらも元気のいい声が響く。


声の主はグッとガッツポーズをして言う。


俺はその言葉に、Aは絶対に大丈夫、という確信を持ち、


「…そうだな」


と、呟いた。


…しかし。


「いや…そうでもないみたいだぜ…」


震えながら、1人の男子生徒が声を絞り出した。


彼の名は荒谷いつき。イケメン、という称号が似合うであろう男子だ。


彼は携帯を手にしていて…―――









「残念な知らせだ…たった今…Aの死亡通知が届いた」

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (126 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
103人がお気に入り
設定タグ:復讐 , ホラー , 幽閉   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セトマリ - 私的には、ツキヒコと薊さんが好きです!幸せになりつつあったのに…… マリーには、幸せになって欲しいです (2014年8月20日 4時) (レス) id: 6f8166006b (このIDを非表示/違反報告)
カノtoクロハLove→莉々(プロフ) - フュンフ ―funf―さん» ニセモノさん…。エネの恋ちょっと切ないけど、私は応援するぜ!! (2014年4月18日 19時) (レス) id: 9fab18750d (このIDを非表示/違反報告)
フュンフ ―funf―(プロフ) - ウィードさん» コメ有り難う御座います!…ん、え?!スイマセン驚きすぎて二度見しました。ンマジですか…?!や、友人に1回言われたことあるけどでもそんな…!(スイマセン有頂天です  文章を褒めてくださるなんて…もう凄く嬉しいです!感無量です…!(*^_^*) (2014年4月18日 19時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
フュンフ ―funf―(プロフ) - カノtoクロハLove→莉々さん» キドカノは人気ありますよね。僕も大好きです!でも一番はエネコノですかね…個人的にはw (2014年4月18日 19時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
ウィード - 小説家になれるんじゃないですか?文の書き方や作り方がスッゴい上手です!! (2014年4月16日 21時) (レス) id: 4f7fc97cb5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フュンフ | 作成日時:2013年12月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。