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「美味しい……!!」
銀時御用達のファミレスで日向は注文したオムライスを食べていた。
そんな彼女をテーブルに頬杖をついて眺める銀時。
「おら、米粒付いてるぞ」
むしゃむしゃと一心不乱に頬張る日向に呆れた顔をしながら銀時は手を伸ばす。
その時、脳内を映像が駆け抜けた。
所々にザーッとノイズがかかったように乱れているが、その背景に見覚えがある。
『おい、米粒付いてるぞ』
可愛げのない少年の声と
『銀ちゃん、ありがと!!』
朗らかな少女の声。
(この時、誰と話してたんだっけ…俺……)
じっと日向の瞳を見つめる銀時。
ボーッとし始めた彼に、日向がバチッ!と軽くデコピンする。
「どうしたの、銀時?」
デコピンの衝撃で我に返ると、映像もスッと消えてしまった。
「ん、あぁ、悪ィ」
歯切れの悪い銀時に、小首を傾げながらも追及せず、残ったオムライスを頬張り始める日向。
銀時は、化け物が口を開けている目の前で食事をしているような、奇妙な恐怖と不安に襲われた。
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いぬ(プロフ) - 大好きです!いや、もう本当に好きです。日向ちゃんの性格が可愛すぎるっ!これからも頑張って下さい! (2020年12月17日 6時) (レス) id: daed22b7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉良 x他1人 | 作成日時:2015年1月9日 18時