鈍感合戦 ymin ページ29
すみません、急なyminです。第三者目線。
俺が好きな人は、どうしようもなく鈍感だ。
「山田はさあ、伊野ちゃんのどこが好きなわけ？」
唐突に尋ねられて、山田は思わず動きを止めた。
その硬直をどう受け取ったのか、 有岡は楽しそうに笑いながら、また、あっさりと口を開く。
「あれ、聞こえなかった？ だからさ、山田は――」
「ちょ、ちょっと待って！」
山田は反射的に、全力で有岡の口を塞いで辺りを見渡す。幸いみんな練習の合間の昼休憩を思い思いに楽しんでいるようで、外の自販機に来てる人はおらず、話を聞かれている様子はない。そもそも暑苦しい部屋が嫌で、わざと人のいない場所で休んでいたのは自分なのだ。
安堵の息をついて、それからゆっくり山田は有岡の口を押さえていた手を離す。仮にもこの人は年上だ。思いっきり無礼を働いてしまった。
しかし山田がかわいい有岡は、いつも通り怒ることはなく、それどころか腹を抱えて噴き出す。
「は、はははははは！完全に、マジだね！」
自販機前の椅子を叩いて笑い転げる有岡に実感引いていた山田は、その言葉で気づく。しまった、うろたえて口を塞いだことで、その「好き」が大声で言えないものだと認めてしまった。何気ない顔で、なんだかんだ憎めないよね、とかメンバーとしてもちろん、とか言えばよかったのに。ああ、俺の馬鹿。
こうみえて無駄に歳をとっているわけではない有岡相手に今さら誤魔化せるとも思えなくて、山田は諦めてため息をつく。顔がやけに熱いのは、多分気のせいじゃない。
椅子ずり落ちた体を起こし、有岡は、にい、と口角を吊り上げた。
「別にそんな慌てなくても、珍しい話じゃないよ。あの誰彼構わず魅了するほわほわ人間を恋愛対象で見てる奴なんて、ごまんといるんだから」
男女問わずね、そう付け加えて、有岡はちらりと視線を遠くに投げかける。和気藹々としてるメンバーが見える。
もしかしたらあの中にも、彼に焦がれる人間がいるのかもしれない。自分と同じように。無意識の内に、山田はシャツの胸元を握りしめていた。
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琴葉(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます！矛盾しているその気持ちわかります。映画が終わった瞬間だとか、最終巻を読み終えた時だとか。薮くん視点やその後のお話、考えてみますね。時間がかかってしまうのですが、待っていていただけると嬉しいです。とりあえずただいまです。 (2018年5月22日 16時) (
レス) id: 3ce7e31af3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - おかえりなさい。今更みたいになってしまいましたが。完結してしまったんですね。続きを読めて嬉しかったけれど終わってしまうと一抹の寂しさ。個人的には薮くんサイドのお話やその後のふたりも気になります。また落ち着かれたら新しいお話もお待ちしてます(^ω^) (2018年5月19日 20時) (レス) id: 85d71dbfbe (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - かほさん» こんにちは。受験、終わりました。応援ありがとうございます^^ (2018年3月7日 15時) (レス) id: 3ce7e31af3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ひなたさん» こんにちは。受験、終わりました！待っててくださってありがとうございます。今週中には更新するつもりです。遅くなってごめんなさいm(_ _)m (2018年3月7日 15時) (レス) id: 3ce7e31af3 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - このお話大好きです。受験、応援してます！ (2018年2月10日 20時) (レス) id: fb0730de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉 | 作成日時：2017年8月23日 12時
