387話 うれしい ページ12
−作者side−
薄暗う廊下で
1人の少女が笑顔で
涙をこらえた少年から離れて行った
あぁ、恋とは
必ず結ばれるものじゃない
残酷なものだ
「何やってるんだ、剣城？」
げっ；とかこのﾀｲﾐﾝｸﾞで；!?
と、きっと内心焦っただろう
剣城は慌てて顔を
腕で拭い、振り返った
剣「・・・ｷｬﾌﾟﾃﾝ」
神「早く行かないとｱｯﾌﾟの時間なくなるぞ？」
そう言いながらも神童は足を進め
剣城の隣を通り過ぎていく
その瞬間に剣城は
剣「ｷｬﾌﾟﾃﾝはA先輩のこと
どう思ってますか？」
と、聞いた
失恋した腹癒せか
何なのかは剣城しか知らない
剣城にそう尋ねられて
神童は思わず足を止める
神「どうって、
分かりきったことを聞くな」
仲間に決まってるだろ
神童の声は少し荒々しく聞こえた
剣「あの、勘違いしているようなので言っておきます」
剣城は神童の背中めがけて
言葉を発す
お互い、顔は見えていない
剣「俺、先輩と付き合っていませんから」
神「え？」
神童にしては随分と
まぬけな声をあげた
剣「むしろ振られたばっかりなんで」
神「なんでそんなことを俺に言う」
剣「そんなのｷｬﾌﾟﾃﾝ自身が
一番知っているでしょう？」
神「一体何をっ!?」
勢いよく振り返った神童
何か言おうとしていたのだろう
でも思わず言葉を詰まらせた
剣「気持ち、伝えなくていいんですか？」
神童は少し頬を赤らめるも
驚きの方が大きかった
それは最初に出会った時の剣城からは
想像がつかないくらい
凄く優しい笑みを浮かべていた
きっと剣城は
Aを目で追いかけるうちに
神童が追う視線にも
気づいていたのかもしれない
神「・・・剣城、お前」
剣「ただし」
先輩を泣かしたら
俺、本気で奪いに行きますよ
全部を知っている剣城と
何も知らない神童では
多少理解できない部分がある
でも神童は
神「今はｻｯｶｰに集中するぞ」
剣城の行為の意味を
理解したうえで、そう言ったのだろう
神「頼りにしてるぞ、ｴｰｽ」
剣「・・・はい！」
剣城痛む胸の痛みを必死に
我慢した
でも同時に緩みそうになる
頬の筋肉を引き締めた
ほんの少し前までは
敵としていがみ合っていたのに
頼られる、
ﾁｰﾑとして認められているってことが
嬉しかったのだろう
ラッキーアイテム
革ベルト
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紅蘭 - あなたの作品とっても好きでした。心よりご冥福をお祈りします。どうかお幸せに。 (2020年5月4日 21時) (
レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
ハンちゃん - どうかゆっくり休んでください (2017年8月25日 22時) (レス) id: 62f33cab2a (このIDを非表示/違反報告)
未夜(プロフ) - ふぅさんの作品、すごい好きでした (2014年12月7日 15時) (レス) id: ea21c4a0b8 (このIDを非表示/違反報告)
sakura(プロフ) - ご冥福をお祈りいたします (2014年3月2日 19時) (レス) id: 1d0d8286a8 (このIDを非表示/違反報告)
胡麻(プロフ) - 作品を見るたび、心が痛むよ。ふぅ、元気でね (2014年1月23日 15時) (レス) id: b3b892a0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぅ | 作者ホームページ：http://id26.fm-p.jp/477/coloris/
作成日時：2013年1月21日 19時
