す ページ17
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「……はーい、そこまで」
低音なのに、深い優しさを感じられるような声が
深澤くん越しに私の鼓膜を震わせる。
それと同時に彼の頭からゴンッ!と何かこもったような鈍い音も聞こえた気がした。
「…いっ、てえぇぇ……、!!」
さっきまでキスで私を殺.そうとしていた彼は頭を抱え込み勢いよく私の目の前から姿を消した…と思ったら、しゃがみ込んで小さくなっていた。
そして私の視界から消えた彼の背後から現れたのは
目がくっきりとしていて綺麗な栗色の髪が丁寧に整えられている、深澤くんとはまた違った顔の整い方をしている男の子だった。
…ん?あれ?この人、どこかでみたことあるような
「ったく!…なぁにすんだよ!?阿部ちゃん!」
「何してんだよはこっちのセリフなんだよなぁ…俺は学校の風紀を取り締まっているだけなんだけど」
「…えぇ?おれがいつ風紀乱したってぇ?」
「たった今だろうが!しかも相手の子同意なしで!最低だよふっか」
「は!?ちげぇってまじで!同意なしは誤解!」
……どうやらこの2人は仲がいいらしく、深澤くんが頭を摩りながらも会話をぽんぽん弾ませている。
そしてこの優しげな美少年、意外と中々に口が悪い。
そんなことを考えながら2人の様子を見ていると、
ふいに美少年くんと目が合う。
私と目が合った瞬間彼は先ほどの表情から想像できない、にこっと花が咲くような美しい笑顔を向けこちらに向かって歩いてきた。
「あー…ごめんね?置いていかれちゃったよね、反省します」
『あっ、いや、ぜんぜん…だいじょうぶです』
「ふふ、なんで敬語?俺と藤宮さん同い年だよ?」
『…っえ!な、んで名前』
「んー、全校生徒は怪しいけどぉ同じ学年はとりあえず全員覚えてるよ俺」
え、すごい。そんな記憶力私にはない。すごい。
…でもちょっと怖くない?え、名簿でも持ってんの?
「…あ、これ認知されてないやつかなもしかして」
「うわぁ珍しいね阿部ちゃんのこと知らないって!でも俺のことはAちゃん知ってたもんねぇー?そうだよねぇー?」
「ふっかは同じクラスだから当たり前だろ。自惚れちゃダメ」
「…それラウにもおんなじこと言われた、やめて。」
認知…?有名なのかなこの人
こんなに顔が整っているわけだし名が通っていても不思議ではないもんね。
でもやっぱりどっかで見覚えがある気がするんだけどなぁ…
自分の乏しい記憶の倉庫を必死で漁ってみる。
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ぬめ娘(プロフ) - ふこさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます😭✨楽しみにしていただけてるようで、こちらも本当に幸せです〜❣️これからも是非是非よろしくお願い致します! (2023年1月17日 0時) (レス) id: 9b0e8af300 (このIDを非表示/違反報告)
ふこ(プロフ) - もう、ほんとに口調とか全部がそのまんますぎて最高です😭😭素敵な作品をありがとうございます😖❗️これからも楽しみにしてます🫶🏻 (2023年1月15日 0時) (レス) @page16 id: 768c221a9c (このIDを非表示/違反報告)
ぬめ娘(プロフ) - 翡翠さん» 有難きお言葉😭そんなに喜んでいただけてこちらも嬉しい限りです、、!深澤くんボイスに置き換えてセリフ考えてみたのでそう言っていただけると自信つきます😭今後も是非お楽しみいただければ幸いです〜❣️ (2022年11月13日 16時) (レス) id: 9b0e8af300 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - こういうお話ずっと探してました( ; . ; )深澤くんの口調がもうそのまんまでめっちゃきゅんきゅんします(><) (2022年11月13日 10時) (レス) @page12 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬめ娘 | 作成日時:2022年11月12日 15時