検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:4,251 hit

20 Side Blackpit ページ24

シンが柱に背中を打ち付ける。


シ「っぐ……!!」

ブ「シン!!」

ク「くくっ……呼び掛けたって無駄だぜ。まともにくらって気絶してやがるからなァ」

ブ「くそ、お前……!! 俺が浄化してやっ__」

ドゴォンッッ

ブ・ク「?!」


俺の言葉は、近くで発生した轟音によって遮られた。
外から衝撃を与えられた壁は、無抵抗に砕け散る。


ク「……誰だお前……!」

ル「……名乗れる程立派な名は持ち合わせていない」


崩れた壁の先に立っていたのは、ルーザーだった。


ブ「お、お前なんで……?」

ル「見掛けたんで寄ってみただけだ」

ブ「そうか、ならシンを頼__あれ?」


シンがいた筈の場所を確認すると、シンがいない?!


ル「……流れが悪いようだな。退くぞ」

ク「おいおい、勝手に離脱するなよ? 俺はお前らを殺る事が使命なんだからよォ!!」


クアルトがルーザーに攻撃しようとする。

が。


バシバシバシッ


ク「な、んだコレ……?!」

ブ「おお、便利だな錬金術……」


ルーザーが錬金術で地面の形を変え、クアルトが行動できないよう縛る形にした。


どう痛めつけてやろうか、と考えていると、ルーザーが声掛けも無しにオレの手首を掴んで走り出す。



ル「退く、と言っただろう」

ブ「シンはどうするんだよ!! 置いて行く気か?!」


ルーザーの手を引き剥がそうと藻掻くも意味を成さず、引き摺られるように引っ張られる。

オレへの返答も、いつも通り無感情だ。


ル「外と連絡が取れず、戦場は敵の手中にあり、更に人質がいる状態で戦いを続行するのは危険だ」

ブ「でも……!」

ル「頭を冷やせ」

ブ「……〜〜っ………」


正論だ。

正論というのは分かっているが、仲間が敵に捉えられている状態で引き下がる、という決断をするのは難しい。


ブ「……くそっ……!!」


やるせない気持ちを抱えたまま、牢獄の外に出た。


ル「……転送」

シュンッ

ブ「……」


……結局ピットを救う事はおろかシンを守る事もできず、神殿に戻って来た。

持ち帰って来れたのは、大きな(わだかま)りだけだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

視点変わります

21 Side Nature→←19 Side Blackpit



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.8/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

降魔(プロフ) - またしてもお気に入り登録、有難う御座います! (2020年8月9日 16時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - お気に入り登録、有難う御座います (2020年6月11日 6時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - ガンバッテェェ〜〜〜 (2020年5月31日 21時) (レス) id: a86e035e62 (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - ヨルさん» シン「そこはもうほら、ひたすら根性で耐え切って乗り越えて見せるわ。 頑張るしかない。 そしてコメ有難う」 (2020年5月31日 17時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - シンガァシンガァァァ...!天使の普通の生活も心配だシィ...*\(^o^)/*オワタ (2020年5月31日 15時) (レス) id: a86e035e62 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:降魔 | 作成日時:2020年2月6日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。