55,・ ページ9
ん？この声、うらさんか？うらさん家で寝落ちしたんかな。あれ、うらさん家行ってない気がするんやけども……てか、なんで小声なん。
う「おい、大丈夫か!!坂田、起きろ!!」
何度も起きろと連呼するうらさん。なんか焦ってる？
『さっきから何なん。そんな小声でまくし立てられたらくすぐったいわ、寝さしてー』
よかった、と息を吐くうらさん。
う「周り、よく見てみろよ。」
真剣な表情に戻って、後ろに目を走らせている。視線を追った先には、まふがいた。え、まふ？うん、でも会った気がする。
う「覚えてないのか……？」
『おん。』
ホントに、大丈夫なんだな？ともう一回確かめて。
う「多分だけど、まふの家で作曲作業してたりっかを送った帰り道で、皆んな気絶した。椅子に縛られてるとこから見て、誘拐、もしくは人質…だと思う。」
顔を歪めながら話すうらさんは、どことなく辛そうだった。
『誰なんやろな、犯人……』
しばらく黙ったまま、肯定も否定もしない。やがて、
う「……誰、だろうな。」
と独り言のように呟いた。
『皆んな起こす？』
う「いや、いい。変に勘付かれても厄介だし、起きるのを待とう。」
頷いて、改めて周りを見る。少し前に、壁がある。四方全てそんなんで、灰色の箱に閉じ込められた気分になった。今日の俺、ポエマーやな。変なの。
後ろを見たくて、首を捻る。手を縛っている縄がミシっと音を立てて、「んっ…」と唸る声が聞こえた。あ、後ろにおるのそらるさんや。
小さく欠伸をして、小さく首を振った。小さな声からは、困惑が伝わった。
そ「何これ？」
うらさんが首を傾けて、俺にしたのと同じような説明をする。そらるさんは、他人事のように「へえ……」と言って、口を閉じてしまった。そらるさんは、いつも通り…なのか？
そ「まふ。」
そらるさんがまふを起こして、まふが伸びをする……しようとして、「痛っ」と悲鳴を上げた。その声で天ちゅとluzが起きる。結局、皆んな起きるやん。
うらさんとそらるさんが皆んなを落ち着かせて、事情を話す。最初は「え？」とか「は？」とか言ってたけど、徐々に真剣になってく。ま、普通ありえへんことやしな。
天「ねえ、質問……いい？」
う「俺が答えられるかはわからんけど。」
天「りっちゃんは、さ。どこに居るの？」
あっ。慌てて辺りを見渡したけど、りっちゃんは居ない。え、どこ⁈
56,luzサイド【続きから】→←54,まふまふ【48話から】＆坂田【50話から】サイド
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年4月27日 13時) (
レス) @page28 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年1月13日 22時) (レス) @page28 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
篠月(プロフ) - 70話は先の話（72話時点で）に少なからず関係してくるので、中身については触れられませんが……これからの話が、R.rさんの心に何かを与えられることを願って、今後も更新頑張っていきます。 (2021年4月10日 17時) (レス) id: b07d15d446 (このIDを非表示/違反報告)
R.r - 私７０話の最後らへん共感します。「私なんて・・・」ってよく思うんですよねー（やっば。えっ・・・病んでるの？） (2021年2月27日 18時) (レス) id: ba078f980a (このIDを非表示/違反報告)
R.r - やっぱ篠月さんって面白いですね。 (2021年2月27日 18時) (レス) id: ba078f980a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：篠月 | 作成日時：2020年10月20日 20時
