52,絡みつく吐き気〈りっかサイド〉 ページ6
ダメだよ、冷静にならないと。律花落ち着いて。頭の隅で必死にまくし立てる私がいる。でも、真っ赤に染まった心の中が頭に溢れ出してきて、次第にかさが増えていく。
やがて私も渦に飲み込まれて、私の理性はプツンと切れた。
『お前なんて、◯ねばいい。』
小さく呟いて、私は男に詰め寄った。まずは、その顔からはぎ取ってやる。ニットキャップとサングラスを片手で掴んで引っ張ると、高男性の顔が覗いた。
その顔は……。
『
剛行はふっと笑みを漏らして頷く。
剛「あーあ、バレちッた。おい、
泰「なんで守らなかったの。これ、僕のせいじゃ無いからァ。ね、律花ちゃん？」
思わず後ろに下がってしまう。歌い手も見ては居るけど、どことなくぼうっとしている。よく分かってない、ていうか頭が追いついてない、のかな。今はそれでいいよ。後で全部教えるから。
剛「今度は俺から行くぜェ」
半ば飛ぶように向かってきた剛行は私のフードをめくりあげた。素顔バレた。いや、マスクはしてるけどさ。なんで歌い手の前でそういうことするかな。
剛「はっ、これでお互い顔バレだなァ。てかお前も取れよ泰紀。」
泰「しょうがないなあ。ま、律花ちゃんとお揃いだから良いけどね〜」
本当に、剛行と泰紀。それじゃ、コイツらは
『実の妹を、何の躊躇いも無く〇した訳。』
声が、震える。
泰「僕はぁ、律花ちゃんの為なら何でもするよぉ？」
声も、その微笑みすらも纏わり付いてくる、この気色悪さ。
『私の為って……ふざけんなァ!!』
背中に隠し持っていた真剣を抜き取って、突き立てる。が、それはあっけなく地面に落ちた。
泰「さっきよりぃ、動きが分かりやすくなってるよぉ。まあ、そんな律花ちゃんも可愛いし、僕は大好きだけど♡」
寒気がする。
泰「ねぇ、あんな男たちなんて置いといて、僕と一緒に遊ぼう？僕なら、君を守ってあげられるよ。あんな貧弱な奴らには負けないし、欲しいものがあるなら何でも手に入れてみせる。
僕と居るだけで、幸せに溺れられるんだよ。素敵だと思わない？」
声がねっとりと脳に絡まって、再び吐き気に襲われる。頬をつうっと撫でられて、肩が揺れた。気持ち悪い。腰に腕が回されているから離れられないし、アイツの指のせいで顔も逸らせない。
私は、どうしたらいい⁈
53,ひんやりしてて、つやつやしてて、細長い棒みたいなモノ→←51,・
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年4月27日 13時) (
レス) @page28 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年1月13日 22時) (レス) @page28 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
篠月(プロフ) - 70話は先の話（72話時点で）に少なからず関係してくるので、中身については触れられませんが……これからの話が、R.rさんの心に何かを与えられることを願って、今後も更新頑張っていきます。 (2021年4月10日 17時) (レス) id: b07d15d446 (このIDを非表示/違反報告)
R.r - 私７０話の最後らへん共感します。「私なんて・・・」ってよく思うんですよねー（やっば。えっ・・・病んでるの？） (2021年2月27日 18時) (レス) id: ba078f980a (このIDを非表示/違反報告)
R.r - やっぱ篠月さんって面白いですね。 (2021年2月27日 18時) (レス) id: ba078f980a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠月 | 作成日時：2020年10月20日 20時
