岩柱に継子が居たそうです【鬼滅の刃】【宇髄天元】 (ページ43)

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太刀筋矯正ページ43

「甘露寺の所で甘やかされたそうだな。」

さすがに言葉の出ない私。

「悲鳴嶼さんの継子がこんなやつでいいのか？」

その言葉ではっと気を確かに持つ。

『初めまして。蛇柱様。亜時乃Aと申します。本日からよろしくお願い致します。』

「ふんっ！名前は甘露寺から聞いている。」

伊黒さんは早くついてこいと言いながら私を鍛錬場へと連れて行ってくれた。

(優しいとは...？)

少し蜜璃ちゃんが騙されているのではないかと心配になりながらついていくとだんだんとまがまがしい空気が近づいてくるのがわかった。

「ここだ。」

『この方たちはどうしたのですか？』

そこにはたくさん縛り付けられている隊士。

「目が見えなくても雰囲気でわかるようだな。こやつらは俺を腹立たせたためこうなっている。お前も精々ならぬよう頑張るんだな。」

『善処します。』

伊黒様との稽古はとても精神的にきつく、一歩間違えれば思いっきり隊士を殴ってしまう。

「打ち合いのために木でできたいつもと同じ武器を渡したんだ。精々壊すなよ？壊したらお前も貼り付けだ。」

『...はい。』

私は武器が特殊なため、無一郎のとこでも刀を使って瞬間移動を学んだのだが、伊黒様は私のために木でできた私の武器と同じものを渡してくれた。

「ぎゃっ！」

『ごめんなさい、巻き付いてしまったわ』

「ヒィ！」

『当たっていないのだから声ぐらい我慢して...。』

段々と擦り切れる精神とともに安定してくる太刀筋。

三日たった時、私の攻撃が伊黒様をかすり、頬を軽く斬ったところで稽古が終わった。

「さっさといけ」

『ありがとうございました。』

私は貰った木の武器を腰に巻き付けると屋敷から出て行った。

伊黒様は確かに優しい方だった。

私がよく食べることも蜜璃ちゃんから聞いており、たくさんご飯を用意してくれた。武器のこともそうだ。

彼の言葉遣いはきついが、心の中はとても優しいのだろう。

彼の口から出る蜜璃ちゃんの話はとても優しい声で話すのだ。

(二人が幸せになれますように)

私は彼らの恋路を最後まで応援してあげようと静かに思いながら次の柱の元へと向かった。

「オメェが悲鳴嶼さんの継子かィ？弱そうだなァ？」

『...。よろしくお願いします。』

ここではまた違うまがまがしい空気を吸うことになった。