岩柱に継子が居たそうです【鬼滅の刃】【宇髄天元】 (ページ30)

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大人の時間ページ30

しばらくすると私はおろされた。

『天元...。私、ちゃんと嘴平君に挨拶できてない。』

「あいつといちゃいちゃしてんのが悪い。」

子供相手に大人げないなと考えたが口に出すのはやめておこう。

しばらく二人で歩くと天元は急に止まった。

『どうしたの？』

「俺は。派手にお前に惚れている。」

急に吐き出されたその言葉は私の中で響く。

「俺はお前の目を奪った鬼を斬ることができなかった。これからもたぶんできねぇ」

『それは、気にしなくていい。私は目が見えなくても戦えているから。』

私は天元の片方になってしまった手を両手で握りしめる。

「それでも俺はお前を幸せにしたいっておもってる。」

とても嬉しい。

好意を寄せていた人からの告白。

だが、私の答えは決まっている。

『ごめんなさい。天元。私にはやり残したことがたくさんあるの。それに、私はまだ最前線で戦っているの。いつ死ぬかわからない』

私がそういうと彼は軽くため息を吐くとこういった。

「まぁ、返事は知ってたけどな！！お前の音を聞く限り嫌そうでもなさそうだから、楽しみに待っとくわ！！」

私がごめんねと謝ると天元はいつもの調子で私の背中をたたきながら気にすんなといった。

私たちは沈みゆく夕日の中歩いて行った。

遠すぎず、近すぎず微妙だけど心地いい距離を保ちながら。

「死ぬなよ、A」

『もちろんだよ。天元。』