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傷が10こ ページ10

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「東雲くんいますか?」


4時間目が始まる少し前に開くドア

一気に静かになる教室

みんなの目線の先には、ドアにもたれ掛かるA先輩


「ここ、に います……」

「ああ良かった、ちょっと来てほしいな」

「すぐ行きます!」


震える声で返事をすると徐々に教室がザワついてくる

どうして彰人?なにかしたのかな?大丈夫かな?
なんて不安だとかそんな声ばかりだ

ここに来た理由がわからなくてオレだって不安だ

でも教室まで会いに来てくれたのは、嬉しい


「先輩、なにか用事でもありました?」

「んー特にないけどとりあえず来て」


腕を掴まれそのまま歩き出す

これ授業間に合わないんじゃねえか?
さっき教室見る前に見た時計は、チャイムの3分くらい前だった気がする

…いや、むしろ一緒にサボるために呼び出された?

そうだとしたら嬉しいけど

連れてこられたのは屋上

ここ、先輩のお気に入りなのか?

するとドアを開けた途端腕を掴む力が強くなる

…骨が痛いです、先輩


「げ、神代…」

「おや?Aくんと…東雲くんじゃないか」


掴む力が強くなったのは人…神代センパイが居たからか

知り合いだったんだねと驚いている神代センパイを、見えないけど多分、睨みながらA先輩は言った


「知り合いじゃない 彼女」

「………はあ、まさか最近増えた子って東雲くんの事かい?」

「そー うちの子の中で一番かわいいよ、顔が」


顔が1番かわいい

…先輩、今オレのことかわいいって言った 顔のことだけど

今のオレの顔は絶対真っ赤だ

神代センパイがいると思うと恥ずかしくて顔なんて上げられない

それだけじゃ足りなくて空いている方の手で軽く顔を隠しておく


「ふむ…まあ僕はお邪魔なようだし今日はここを譲るよ」

「助かる〜!じゃあ今日は二度と顔見せないでねばいばーい」

「それは…同じクラスだしねぇ」


さすがに無理かな、と言いながら神代センパイは屋上から立ち去って行った


「…東雲くん照れてる」

「し、仕方ないじゃないですか 急にかわいいとか言われたら」


しかも人前でだ

そんなん照れるし恥ずかしいに決まってんだろ…


「見た目チャラいのに中身ヨワヨワだねぇ」

「う…」

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黒猫 - コメント失礼しますっ!!今までの作品の中で、1番好きです😭✨これからも、無理のないよう頑張ってください🙇⋱ (2022年2月13日 22時) (レス) @page21 id: 8f1acdf27e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなた | 作成日時:2021年11月12日 22時

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